コーヒー1杯分の優しい時間
「りこ、体力と時間があったらちょっとだけお茶いかない?」
仕事に、子育てにと忙しい友人から、先日、そんな電話をもらいました。
「こんにちは」も「ひさしぶり」も必要ない、学生の頃からの気楽な関係。
一方的なようだけど、「体力」という部分にいつもちゃんと私の体調への配慮が見られるのが嬉しい(笑)
「いつものところで良い?何時?」
私たちの突然の待ち合わせは、昔からお互いの中間地点と決めてある。
同じ時間にお家を出れば、だいたい同時に着くように。
「ただ、1時間くらいしか時間ないんだけど、…会ってくれる?」
仕事も終わり、子供のお迎えまでの、ほんのひと時。
そんな大事な時間に、私に会いたいと思ってくれるなんて嬉しいじゃないですか😊
そうして待ち合わせて、本当に他愛のないおしゃべりをする。
LINEや電話でも出来るおしゃべりだけれど、やっぱり実際に顔を見ておしゃべりするのは全然違う。
コーヒー1杯分の楽しい時間。
コーヒー1杯といえば、
みなさんは、カフェ・ソスペーゾという言葉を聞いたことありますか?
イタリア・ナポリ発祥の素敵な習慣。
イタリアにはバールでコーヒーを立ち飲みする習慣があるそうです。
カフェ・ソスペーゾと言うのは、そこで自分のコーヒーを買う時に、余裕のある人が他の誰かのためにコーヒー代を前払いしておくという習慣のこと。
自分の分ともう1杯分の代金を支払い、もう1杯のコーヒーを飲むのは「保留」(=sospeso、ソスペーゾ)にして、それを求めてきた他の誰かのためにレシートを残す。
カフェの店先にあるブリキのコーヒーメーカーは、誰かの優しさを受け取れる目印です。
日本語では「保留コーヒー」と訳されるそうですが、「助け合いのコーヒー」の方が私的にはしっくりきます。
イタリアが長い歴史の中で1番苦しかった時期、第二次世界大戦後にナポリで生まれた習慣。
貧しい人たちだって、コーヒーを飲みたい。
そこで、さりげなくご馳走していた習慣が今も残っているそうです。
とは言え、経済の回復と共に、その活動は衰退しているようですが。
最近では、ピザだったり、本だったり、コーヒー以外のものに広がり、海外でも、その習慣を残そうという動きがあるそうです。
失くしてほしくない、思いやりの時間。
コーヒー1杯分の優しさが、見知らぬ誰かに届きますように。
立ち飲みが一般的ではない日本にはあまり馴染みがない文化。
でも日本にある、「困ったときは、お互い様」はまさにこれですよね😊
大事にしたいな、その心。
