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【短編小説】自動的に愛は終わる #風まかせ文芸部

 愛って、いつ終わったんだって気づくのだろう。

 匠海27歳。コーンスープを片手に、ふと思うのだ。

 リナと出会ったのは、19のとき。
 大学のサークル。やたら気が合った。いや――合うというより、馴染んだ。

 そこから五年。
 資格試験の勉強も、一泊二日の旅行も、正月の親への挨拶も、全部一緒だった。

 “好き”は躊躇なく言えたし、
 “ごめん”も、“ありがとう”も、そこそこ言えた。

 ……たぶん、あれは青春の「自動再生」だったんだと思う。

 社会人になってからだ。
 連絡は減った。会うのも月に数回になり、LINEは事務連絡みたいになった。

 「お疲れ」「了解」「またこんど」
 ――ほぼ自動返信みたいなやり取りを続けながらも、
 俺はどこかで安心していた。「まだ繋がってる」と。

 でも、あるとき、ふと思った。

 ――俺、最後に「好き」って言ったのいつだ?

 急に不安になって、スマホを眺めていた。
 けど、答えはなかった。送る気にもならなかった。

 愛はエスカレーターと同じで、
 気づかぬうちに止まっていたのだ。

 別れ話もなく、終わった。

 あぁ、こんな終わり方もあるんだなって思った。

 でもさ、いいんだ。

 無理に劇的にじゃなくても。

 いつか俺が死ぬとき、眠りに落ちる寸前に思い浮かべる日々が、
 例えば彼女と観たあの映画の帰り道とか、くだらないLINEで笑った夜とか――
 ちゃんとそこに煌めいてくれるなら。

 それだけで、もう十分だろ。



風まかせ文芸部さんのお題「自動」に
参加させて頂きました🍃




こちらの記事でコングラボード頂きました😋
多謝!!



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