【季節と暦】小満|虫がはむ薔薇の傷口と、消えたポプラの大樹
🎙季節のボイスレター第29弾
第22候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
2026年の小満。
今回のボイスレターでは、「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」という七十二候を入り口に、庭の薔薇や虫たち、そして街から消えた一本の大樹について語りました。
虫にかじられた花びらは、なぜか傷口だけが淡く紅く染まります。
まるで植物が静かに血を滲ませているようにも見えて、
その姿は美しく、そして少し痛々しい。
「虫が起きて植物をはむ季節」。
そんな昔の言葉が、今の庭の風景と深く重なっていくことに気づきました。
後半では、去年の小満に詠んだ一篇の詩についてもお話しています。
青と満ちていく
見晴らしの大樹から
海と同じ音がする
風が吹くたび、波のような葉音を響かせていたポプラの木。
しかし今年、その木は突然切り倒され、その場所には「空」だけが残りました。
「空」と書いて、そらと読むのか。
からと読むのか。
あるいは、くう、と読むのか。
小満という、生命が満ちていく季節のなかで、
傷つくもの、失われるもの、
そして変わっていく“視線”について静かに見つめた回になりました。
葉音のように、静かに流し聴いていただけたら嬉しいです。
◆ボイスレターでお話ししたこと
・淡い黄色の薔薇「エリナ」と、虫が残した薄紅の傷口
・白薔薇の美しさと痛み
・去年の小満に詠んだ詩と、失われたポプラの大樹
・樹木とは人間に作れない「時間そのもの」
・変わったのは世界か私か
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■付録|スマホ用壁紙
ささやかな季節のおすそ分けです。
お気に召しましたら、日々の画面にお迎えください。

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この記事に目をとめてくださって、ありがとうございます。そっと置かれた想いも、静かに受け取ります。