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世界の解像度⑨カマキリの「途中」

世界の解像度 Vol. 9―カマキリの「途中」を見る
水やりをしている時に、こんなカマキリさんに出会いました。

体の真ん中あたりに翅芽(しが)があります

「あれ?妙にお腹が目立つような……」

カマキリなんだけど、
いつも知っているカマキリとは、何かが違う……
ような?

お庭の番人として、かなり優遇している(つもり)のですが、
私が持っているカマキリのイメージは、
・大きな鎌を構えて獲物をじっと待つ
・翅があるので飛ぶこともある
・孵化した直後も既にミニカマキリ!
という程度の粗い解像度。

でも、考えてみれば。
頼もしいお庭のハンターになるまでには、
ちゃんと「途中」がある。

ということで今回は、
「カマキリ」への理解を深めることにします。

上げよう、世界の解像度を。
磨こう、心のレンズを。


◆ カマキリにも「羽化」がある!

AIに、カマキリの一生をざっくりまとめてもらいました。

カマキリは卵から孵化すると、
成虫とよく似た姿の「幼虫」になります。
ただし、翅はありません。

何度も脱皮を繰り返しながら成長し、
最後の脱皮を終えると、成虫になります。

その過程で、少しずつ翅が発達していきます。

この、成虫になるための最後の脱皮が、「羽化」です。

「羽化」というと、セミや蝶を思い浮かべますが、
カマキリにも羽化があるのですね。

カマキリの姿として一般的に認識されている、
立派な鎌と翅が整った姿だけを見ていると、
カマキリという生きものは、最初からあの形をしているかのように思いこんでしまいます。

でも、そこに至るまでには、
|小さな幼虫として生まれ、
|脱皮を繰り返し、
|少しずつ翅を育て、
|最後に羽化をして成虫になる、
という過程があります。

今回出会った子には、その「途中」が現れていました。

翅芽が見えていて、成虫まであと一歩の姿。


◆ 「知っている」と「見えている」は違う

カマキリは、もちろん知っていました。

庭にもいる。
子どものころから見ている。
形だって、だいたい分かる。

でも、

「カマキリには、幼虫の時期がある」

ということを、
私は本当に知っていたのだろうか。

今回のカマキリさんを見て、
初めて「翅芽」を認識しました。
そしてようやく、カマキリの「過程」を意識しました。

この一匹のカマキリが、
それまで見ていなかった時間の扉を開いてくれたように思います。


◆ 庭のカマキリたちは、今どこにいる?

この春も、庭ではいくつかのカマキリの卵が孵っていました。

小さな小さなカマキリが、ベランダの手すりで風に吹かれていたことを思い出します。

あれから4か月が経ち、
気温はあの頃から20度ほども上がった今、
果たして何匹が生き残っているのでしょう。

鳥に食べられたり、
ほかの生きものに襲われたりする危険を逃れ、
雨や暑さをやり過ごしたりしながら、
それでも脱皮を繰り返してここまでたどり着いた命。

そう思うと、
水やりの途中で出会ったカマキリに、
「頑張ったね、お疲れさま」
と声をかけたくなりました。

まだ翅は完成していない。
まだ、大人になり切れてもいない。

でも、ちゃんとカマキリとして生きている。

「途中」もまた、その生きものの姿なのですね。

そして、人間も、また。

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六花【詩と暦】 この記事に目をとめてくださって、ありがとうございます。そっと置かれた想いも、静かに受け取ります。

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