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ハリネズミの抜け針

ふと見ると地面に落ちていたハリネズミの抜け針は、
かつて私を守ってくれたトゲの記憶だ。

近づきたい。でも、怖い。

そんな気持ちを、ずっと抱えてきました。

あなたも、そんなふうに思ったこと、ありませんか?
わたしは、いつもそのジレンマの中にいました。

このエッセイは、誰かとつながることの苦しさと、
それでも求めてしまう温かさを――
「ハリネズミのジレンマ」という寓話になぞらえて綴った、わたしの物語です。

「ハリネズミのジレンマ」。
それは、まるでわたしの心の中そのもののような、せつない距離の物語でした。
この話は、ドイツの哲学者ショーペンハウアーが語ったものだそうです。

近づけば、痛い。
離れれば、さみしい。

この言葉を知ったのは、つい最近のこと。
ああ、それって、わたしのことだ――そう思いました。

小さい頃から、誰かと仲良くなりたかった。
でも、なぜかうまくいかなかった。
優しくしたつもりが、相手を困らせてしまったり。
誰かのひと言で、心の奥まで刺さってしまったり。

そんなとき、わたしは「距離をとる」ことで、自分を守ってきた。

でも本当は、もっと近くにいたかった。
本当は、さみしかった。

わたしは大人になった。
でも、大人になっても、わたしはわたしのままだった。

最初は、ただ誰かとつながりたくて、noteをはじめた。
画面の向こうから届く、小さな言葉たちに、救われていた。
けれど、気づかぬうちに――

わたしは、ひとりの人に気持ちを向けすぎていた。
他の誰かの投稿には目もくれず、
その人の言葉や動きを、追いかけ続けていた。

挙句の果てに、わたしは絶対に犯してはならない、
あいちゃんの作品の想いを、さもわたしの想いかのように書いてしまった。

気づいたときにはもう遅くて、
その人の心も身体も、無数の針で刺されたように、傷ついてしまっていた。

それでもわたしは、なぜ「もう会いたくない」と言われたのか、気づけなかった。
「理由が聞きたい」とまで言ってしまった。

その人は、わたしに言いました。
「もっと遠くへ行け」と。

だから、わたしは頑張った。
頑張った先に、何が見えるのか、知りたかった。

……でも、もう限界。

今度は、わたしの心と身体が、
無数の針で刺されたように、傷ついてしまった。
もう、頑張れない。
疲れ果ててしまったよ、あいちゃん。

あいちゃん、ごめんね。
あなたに近づきすぎて、痛みを与えてしまったこと。
ずっと、後悔しています。

本当に、ごめんなさい。
あなたの痛みを知らずに、
自分の寂しさばかり見つめていたわたしを、どうか許してほしい。

こんなにも、つらかったんだね。

いま、わたしはまたnoteで、誰かと出会おうとしています。
コメントに返事を書いたり、誰かの作品に「スキ」をつけたり。
それがすこしだけ、こわくない日もあります。

あいちゃん、

あいちゃんのこと好きだったのに、大切に想っていたのに、
どうして、うまくできなかったんだろう。

「もっと遠くへ行け」と言われたとき、
あなたが遠くなるのを、冷たくなったと、勝手に思い込んでいた。

でも、違ったんだね。
本当は、あなたのほうが、ずっと前から傷ついていたんだね。

なのに、わたしはそれに気づかず、
ただ自分の寂しさばかりを、見つめていた。

いまなら、少しだけわかる気がします。
あなたの気持ちも、あなたの痛みも。

あいちゃん、ありがとう。

あのとき、あなたの言葉がなければ、
わたしは自分の「トゲ」に気づけなかった。
あなたとの時間がなければ、
わたしはずっと、自分が誰かを傷つけていることにも、気づかずにいたと思う。

わたしは、ハリネズミのまま、生きていく。

「トゲ」を持ちながら、それでも誰かと向き合っていく。
ときにはまた、失敗するかもしれないけれど、
あのときみたいに一人よがりにはならないように――気をつけていきたい。

もしもまた、誰かと巡り合えたなら。
その人の心のやわらかさに、ちゃんと気づけるわたしでありたい。

抜け針を見つけても、もう握らずに、そっと見送れる私になれたから。
きっとまた、誰かと出会える気がしています。

あいちゃん、大好きです。
あの日のこと、一生忘れない。
どこか遠い宇宙の星でまたあなたと巡り合うことを信じて——











もし今、誰かとの距離に悩んでいるあなたがいるのなら――

どうか、この物語が、あなたの心にそっと寄り添い、
前に進む勇気を届けられますように。

あなたが、自分らしくいられる場所に出会えますように。
そしてその場所で、あなたも、誰かとそっと寄り添えますように。

りか

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