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抒情詩:君と星空

忘れられない君へ。
そして、あなたの忘れられない人へ贈る言葉。

星空を見上げると、私はいつも“君”を思い出す。
――あの夏の日の記憶は、今も私を生かしている。



柴田淳さんの「君へ」の一節が、ずっと心から離れない。
「君でよかった」――その言葉が、今の私の祈りでもある。

この空を見上げるのは、あとどのくらいだろう――

君が好きだった夏。
陽射しが強くなって、蝉が一斉に鳴いていた、
あの夏と同じ匂いが街に広がっていく。

私は、ただぼんやりと空を見上げていた。
眩しくて、滲む空に、君の姿を重ねていた。

もう、あの日から何年が経ったんだろう。
あの夏が、今でも私の時間を止めているみたいだ。

通い慣れた坂道も、夕立のあとの湿ったアスファルトも、全部。
君と見た風景のままそこにあって、私はそこを、そっと踏みしめて歩く。

季節の変わり目になると、特に夏が近づくと、
君を思い出さずにはいられない。

あのとき、ちゃんと気づけていたら。
あのとき、もっと言葉にできていたなら。

――私たちはもっと、違う未来を選べていたのかな。

君は、私の話を最後までちゃんと聞いてくれたよね。
忙しい日でも、眠そうなときも、文句ひとつ言わずに傍にいてくれた。

「大丈夫だよ」って言ってくれた、あの日――

本当は、君の方がずっとつらかったのに。
それでも君は、私の涙をぬぐう手を止めなかった。

……私は、その手にすがってばかりだった。

あの夏の終わり、夕暮れの海辺で並んで座った時のことを、今でも覚えている。

太陽が沈みかけた空の色は、君のやさしさのようにやわらかくて、
私はただ、横顔を見つめていた。

何か言葉にしたかった。
――でも、うまく言葉にならなかった。

「君と過ごす時間が、ずっと続けばいいのに」って、
ただそれだけが、胸の奥でずっと揺れていた。

空を見上げるたびに、いつも思う。
君は今、どこで、どんなふうに笑っているのだろう。

忘れられない人を思い出すとき、私の夏はいつも君につながっている。

蝉時雨の中で、風鈴の音を聴きながら、
冷たいアイスを片手に、笑っているだろうか。

それとも、遠いどこかの夏空の下で、
誰かと新しい物語を紡いでいるのだろうか。

もう叶わないと知っていても。
――それでも私は、君に手を振る夢を、まだ見ている。


夢の中で、君はあの日のままで、笑っていた。

目が覚めた瞬間、胸が痛くなる。
でも、それでも。
見られるうちは、まだ私の中で君が生きている証だと思いたい。

「君の笑顔は、私にとって、満点の星空だったよ」

夜の静けさの中で、
鈴虫の声と一緒に、君の声が聴こえた気がした。

――元気でいてね。

その言葉は、ただの別れの挨拶じゃない。
私の祈りのすべてだ。

君がどこにいても、どんな未来にいても。
悲しみにとらわれず、笑っていてほしいと願う気持ち。

それだけで、私は今日も生きていける。

――いつまでも大好きです。

君と過ごした夏のすべてが、今の私をつくってくれたから。

蝉の声、空の青、雲の形、アイスの味、夕焼けのグラデーション、
打ち上げ花火の横顔、夜風の涼しさ――全部、君と結びついている。

だから私は、夏が来るたび、君を思い出すのかもしれない。

私は今も、君の星を見上げている。

――君は、私の胸の中で静かに…ずっと、瞬いているよ。





どんなに時間が流れても、君の温もりは、私の記憶の中で色褪せない。

たとえ二度と会えなくても。
私はこの夏空のもとで、君を想い続けるだろう。



私が生きる限り、君は「忘れられない人」として、この空の下に輝き続ける。

だから私は、この想いをそっと名づける――「忘れられない人へ」。



――今日も私は、君と見上げた空の下で、生きている。

りか





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