抒情詩:君と星空
忘れられない君へ。
そして、あなたの忘れられない人へ贈る言葉。
*
星空を見上げると、私はいつも“君”を思い出す。
――あの夏の日の記憶は、今も私を生かしている。
*
柴田淳さんの「君へ」の一節が、ずっと心から離れない。
「君でよかった」――その言葉が、今の私の祈りでもある。
*
この空を見上げるのは、あとどのくらいだろう――
君が好きだった夏。
陽射しが強くなって、蝉が一斉に鳴いていた、
あの夏と同じ匂いが街に広がっていく。
私は、ただぼんやりと空を見上げていた。
眩しくて、滲む空に、君の姿を重ねていた。
*
もう、あの日から何年が経ったんだろう。
あの夏が、今でも私の時間を止めているみたいだ。
通い慣れた坂道も、夕立のあとの湿ったアスファルトも、全部。
君と見た風景のままそこにあって、私はそこを、そっと踏みしめて歩く。
季節の変わり目になると、特に夏が近づくと、
君を思い出さずにはいられない。
あのとき、ちゃんと気づけていたら。
あのとき、もっと言葉にできていたなら。
――私たちはもっと、違う未来を選べていたのかな。
*
君は、私の話を最後までちゃんと聞いてくれたよね。
忙しい日でも、眠そうなときも、文句ひとつ言わずに傍にいてくれた。
「大丈夫だよ」って言ってくれた、あの日――
本当は、君の方がずっとつらかったのに。
それでも君は、私の涙をぬぐう手を止めなかった。
……私は、その手にすがってばかりだった。
*
あの夏の終わり、夕暮れの海辺で並んで座った時のことを、今でも覚えている。
太陽が沈みかけた空の色は、君のやさしさのようにやわらかくて、
私はただ、横顔を見つめていた。
何か言葉にしたかった。
――でも、うまく言葉にならなかった。
「君と過ごす時間が、ずっと続けばいいのに」って、
ただそれだけが、胸の奥でずっと揺れていた。
*
空を見上げるたびに、いつも思う。
君は今、どこで、どんなふうに笑っているのだろう。
忘れられない人を思い出すとき、私の夏はいつも君につながっている。
*
蝉時雨の中で、風鈴の音を聴きながら、
冷たいアイスを片手に、笑っているだろうか。
それとも、遠いどこかの夏空の下で、
誰かと新しい物語を紡いでいるのだろうか。
*
もう叶わないと知っていても。
――それでも私は、君に手を振る夢を、まだ見ている。
*
夢の中で、君はあの日のままで、笑っていた。
目が覚めた瞬間、胸が痛くなる。
でも、それでも。
見られるうちは、まだ私の中で君が生きている証だと思いたい。
*
「君の笑顔は、私にとって、満点の星空だったよ」
夜の静けさの中で、
鈴虫の声と一緒に、君の声が聴こえた気がした。
*
――元気でいてね。
その言葉は、ただの別れの挨拶じゃない。
私の祈りのすべてだ。
*
君がどこにいても、どんな未来にいても。
悲しみにとらわれず、笑っていてほしいと願う気持ち。
それだけで、私は今日も生きていける。
*
――いつまでも大好きです。
君と過ごした夏のすべてが、今の私をつくってくれたから。
*
蝉の声、空の青、雲の形、アイスの味、夕焼けのグラデーション、
打ち上げ花火の横顔、夜風の涼しさ――全部、君と結びついている。
だから私は、夏が来るたび、君を思い出すのかもしれない。
*
私は今も、君の星を見上げている。
――君は、私の胸の中で静かに…ずっと、瞬いているよ。
*
どんなに時間が流れても、君の温もりは、私の記憶の中で色褪せない。
たとえ二度と会えなくても。
私はこの夏空のもとで、君を想い続けるだろう。
*
私が生きる限り、君は「忘れられない人」として、この空の下に輝き続ける。
だから私は、この想いをそっと名づける――「忘れられない人へ」。
――今日も私は、君と見上げた空の下で、生きている。
りか
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