小野田大臣が語った4人に1人は府中限定だった
割引あり
数字は嘘をつかない。だが、数字を選ぶ人間は平気で嘘をつく。2026年7月24日、小野田紀美・外国人政策担当大臣は記者会見でこう述べた——「受刑者の約4人に1人が外国人という状況の中で」。前々日の22日に視察した府中刑務所での「現場の声」だという。この一言は、外国人犯罪の深刻さを印象づけるには十分すぎる破壊力を持っていた。
だが同じ時期の矯正統計を確認すると、様相はまるで違う。令和6年、全国の刑事施設全体における外国人受刑者の割合は6.6%。大臣が語った「4人に1人」=22.6%の、3割にも満たない水準である。
同じ「令和6年」なのに、これだけ違う
府中刑務所:受刑者1,707人中386人が外国人=22.6%
全国の刑事施設全体:6.6%
千葉刑務所:757人中25人=3.3%
熊本刑務所:304人中3人=1%
つまり「4人に1人」は、日本のどこでも通用する外国人犯罪の実態ではない。府中刑務所という、たった一つの施設の中でだけ成立する数字だ。同じ年、同じ法務省の統計の中に、22.6%も6.6%も1%も同居している。大臣はその中から一つだけを選んで会見マイクの前に立った。
ここで立ち止まりたいのはこの一点だ。府中刑務所は、全国に数多くある刑事施設のうちの一つに過ぎない。なぜ視察先として選ばれたその一施設が、よりによって全国平均の3倍以上の数字が出る場所だったのか。単なる偶然なのか、それとも——最初から、その数字が出ることが分かっていて選ばれた場所だったのか。
答えは、視察の前から決まっていた
ここから先は
2,107字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
