生まれてくる時代を間違えた
「なんなんだ、このプレッシャーは?」
私はスペースコロニーを、核を地球🌍️に落とすか、迷うがアイツに阻止された。
「ちぃっ! アムロめ」
口惜しいが如何せん、生まれてくる時代を間違えた。
この時代にアムロはいない。安室奈美恵なる、歌手がいたらしいが、
「ララァの歌声に肩を並べる歌姫はおらんのだよ!」
ララァはいない。アムロの攻撃から、私を守るため、盾になり、宇宙の藻屑に儚い命を散らした。
その直後、受付にいる妖艶な女性が私の名前を呼ぶ。
「シャアさん、シャア・アズナブルさん 」
ララァの死後、悲しみに暮れる私を心身ともに癒した旗艦レウルーラで狂おしく抱きしめたナナイに瓜二つの彼女は続けて、私を誘う。
「第2診察室にお入りください」
私は立ち上がるべきかどうか、悩んだがここは立つ。
「ヴっ」
痛みが激しい。臀部の奥深く。
赤ザク、リックディアス、百式、サザビー、ナイチンゲール。その昔、愛機に搭乗したあの感覚とは……
「また違う。これは、ニュータイプか?」
視線を上げると、ナナイに瓜二つの受付の女性が歩み寄り、
「あの、マイナンバーカード、ございます?」
「マイナンバーカード?」
私はたじろぐ。一体なんの話だか、わけがわからない私に彼女は一言。
「ま、あとで。立てますか?」
「問題ない」
と、彼女の気遣いを袖にして、立ち上がるがやっぱり痛い。
結構、痛い。
「痛そうですけど?」
彼女が執拗に心配するから、私なりの強がりを独白。
「いや、坊やだからさ」
「坊や? ま、あの、第2診察室へ、まっすぐ、行ったところですから。失礼しますね」
そう言って、彼女は立ち去った。
私は歩みを進める。アムロと戦った「一年戦争」を思い出しながらも、やっぱり……
「痛い」
診断の結果、医師によれば、痔という、病気らしい。
かつて、「エゥーゴ」でクワトロ・バジーナと偽名を使ったあの頃、アポリーやロベルトもそういえば……
「なにやってんの?」
その時、診断を下す細面の男性医師が私の臀部をくまなく、診察。症状が進行して、患部がひどく、ただれていたから、語気が強くなるがどこかで聞いた声。
「ブライト艦長……な、わけないか」
「弾幕、薄いぞ。なに、やってんの?」
とっさに振り向く私にブライトの声にそっくりな男性医師は笑いながら
「似てるでしょ?」
「さぁ?」
しかしながら、一つだけ、わかったことがある。
この世界はアニメじゃない。現実なのさ。
生まれてくる時代を間違えたのは間違いじゃない。
(了)
