Timed Up and Go test(TUG)で20秒とは?
例えば、「TUGが20秒」でした。
といった時、TUGが20秒というのは概ねこのぐらいの速さだ、というのが感覚的に分かる状態だというのは、経験と知識が結びついた状態だと思います。
つまり、どのような状態での20秒なのか?

そして、TUGのどのようなタイミングで時間がかかるのか。

例えば、ある程度介護度の軽い(要支援から要介護1、2レベル)方のTUGの平均は、私の施設では14秒前後になります。そして、80歳後半以上、介護度が3~4ほどのレベルであれば、20秒を超えます。
よくある、TUGのカットオフ値が13.5秒です。これは、ある疾患を持った地域高齢者の転倒リスクを検討したものだったと思います。私の施設では、だいたい軽度要介護者にあたります。
私の施設での変化は、純粋に加齢(70~80歳)であれば数年単位で徐々に低下(1~2秒ほど)している程度です。ただ、うつ状態が悪化していたり、自宅での活動が少なくなった場合には、数カ月内で2秒以上の低下がみられます。
特に痛みの増加や体調悪化時には数日で大幅に低下します。ただし、痛みや一時的な体調悪化の場合は、改善した場合すぐに速さが戻ります。また、継続した計測では過去と現状の比較が行えるため、何かあった際の医療への連携がデータをもって引き継げます(TUGだけではありません)。
このように、TUGが20秒の意味は多く考えられます。更に疾患で考慮した場合、脳血管疾患、整形外科疾患、呼吸器・循環器疾患等で、分けた方がよいと思われます。
このように、書物に載っている数値や説明だけでは得られないことが臨床ではたくさん生じます。

特に、人それぞれ反応や症状が異なりますので、「答えの無い問い」に対して、「問い続ける」ことは非常に重要だと感じています。
