第5回波・風・潮・時間帯を同時に分析してみた〜ロジスティック回帰で見る「本当に効いている条件」〜
これまでのシリーズのおさらい
このシリーズでは、鹿島灘サーフの釣果データを使って
「ヒラメが釣れる条件」をデータ分析で探っています。
これまでの流れは次の通りです。
第1回
まずは釣行ログを整理し、
時間帯や魚種別の単純集計を行いました。
第2回
潮汐データを追加し、
上げ潮・下げ潮・潮止まりによる釣果の違いを分析しました。
その結果
上げ潮でやや釣果が高い
潮止まりは釣果が低い
という傾向が見えてきました。
第3回
さらに
風
波
のデータを追加しました。
気象データには ERA5再解析データを使用し、
API経由で取得しています。
釣行地点2カ所・約3年分のデータだったため
取得には 半日近くかかりましたが、
取得処理自体はほぼ自動化できました。
この分析では
波
風
が釣果に影響している可能性が見えてきました。
第4回
最後に
釣果ログ
潮汐
風
波
をすべて統合し、
分析用の 最終データセットを構築しました。
このデータでは
1行 = 1つのヒットイベントという構造になっています。
今回やること
これまでは
潮だけ
波だけ
時間だけ
という 単独の条件で分析していました。
しかし実際の釣りでは
潮
波
風
時間帯
は同時に影響します。
そこで今回は
潮 × 波 × 風 × 時間帯という 4条件を同時に分析します。
まずは4条件ランキング
最初に
潮 × 波 × 風 × 時間の組み合わせごとに
ヒットイベントの割合を計算し
ランキングを作りました。
今回は
最強条件ランキング
安定ランキング
の2種類を作っています。
最強条件ランキング
こちらは
サンプル数の制限なしで、
単純にヒットイベントが多かった条件です。

このランキングを見ると
07-09という時間帯が上位に集中しています。
つまり今回のデータでは
朝の時間帯が非常に重要な条件として出ています。
また
波
風
潮
の条件も組み合わさっていますが、
まず大きく効いているのは
時間帯の可能性が高そうです。
安定ランキング
こちらは
一定以上のサンプル数がある条件だけを対象にしたランキングです。
つまり
再現性のある条件です。

こちらの結果でも
07-09
16-18という
朝
夕方の時間帯が上位に入っています。
これは釣り人の経験則で言われる
朝マズメ
夕マズメとかなり一致する結果です。
ロジスティック回帰で寄与度を計算
ランキングだけでは
どの条件がどれくらい重要なのかは分かりません。
そこで今回は
ロジスティック回帰
を使って条件の寄与度を計算しました。
ロジスティック回帰とは?
ロジスティック回帰は
ある条件のとき
結果が起きる確率を予測するモデルです。
今回の分析では
潮
波
風
時間帯を同時にモデルへ入れて、
ヒットイベントが多くなる条件を説明する要因を計算しました。
このとき
各条件の影響度を
寄与度として比較できます。
ロジスティック回帰の結果

結果は次の通りでした。
時間帯 約56%
風 約18%
潮 約14%
波 約11%つまり今回のデータでは
時間帯の影響が最も大きくなりました。
第2回の潮分析との整合性
ここで一つ気になる点があります。
第2回では
潮の上げ下げで釣果に差が出ていました。
しかし今回の寄与度では
潮 14%と、それほど大きくありません。
これは分析の矛盾ではありません。
今回のモデルでは
潮
波
風
時間を 同時に入れているためです。
例えば
朝 × 上げ潮のような状況では
時間帯の効果として説明される場合があります。
つまり
潮の影響が消えたのではなく
時間帯の影響と重なっている可能性があります。
今回見えてきたこと
今回の分析結果をまとめると
鹿島灘サーフでは
①時間帯
②風
③潮
④波の順で
釣果への影響が大きい可能性が見えてきました。
特に
07-09
16-18という
朝マズメ
夕マズメの時間帯は
データ上でもかなり強い条件として現れています。
これは釣り人の経験則とも一致する結果です。
次に気になること
ここまで分析すると
次に気になるのは
時間帯 × 波
時間帯 × 風の組み合わせです。
例えば
朝 × 波1.5mは強いのか?
夕方 × 弱風はどうか?
ここを分析すると
実際の釣行に使える条件がかなり具体的に見えてきそうです。
次回予告
次回(第6回)は
時間帯 × 波
時間帯 × 風の組み合わせを
ヒートマップで分析します。
ここまで来ると
釣れる条件がかなり具体的に見えてくるはずです。
もしよろしければ
このシリーズでは
ヒラメ
マゴチ
ソゲの違いも今後分析していく予定です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
