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「雲の上の忘れ物」

4番と2番
みかんさんよろしくお願いします♡

その夜のお客様は、
名前を少しだけ忘れてしまった男の子でした。

「ぼく‥なんて名前だったかな?」
ぽつりとつぶやきながら空を見上げていました。

するとーふわりと風が吹いて
目の前に雲ホテルが現れます。
もこもこの看板には、「ひつじの雲ホテル」と
書かれていました。

「いらっしゃいませ」
ひつじの支配人が、にっこり笑います。

男の子は、少し不安そうに言いました。
「ぼく‥何か忘れ物したみたいなんです。」

支配人は、優しくうなずきます。
「きっと大切な物ですね。」

案内されたお部屋は、大きな鏡がひとつだけ
ふわふわの雲に囲まれた、静かなお部屋です。

「ここでゆっくりとしてみてくださいね。」
そう言って、支配人は、静かにドアを閉めました。

男の子は、鏡の前に立ちます。
そこには、自分の顔が映ってるはずなのに‥
「あれ?」

少しだけ違う気がしました。
笑ってみると鏡の中の自分も笑います。

でも‥
ほんの少しだけ優しい顔をしているのです。

その時
鏡の中の男の子が口を動かしました。

音は、聞こえないのに
言葉だけが、ふわっと届きます。

ー「だいじょうぶ」

ふわりと風が吹いて
男の子の胸がぎゅっとなりました。
ころんだ時に「だいじょぶ?」って優しく声をかけてもらえた事

名前を呼んでもらって嬉しかった事
「‥あっ」

男の子は、思い出します。
「ぼくの名前‥りく‥だ。」

朝が来る頃
雲ホテルは、ゆっくり消えていきます。
男の子は、ベッドの上で目を覚ましました。
「‥あっそうだ‥ぼくの名前は、りく」

そして‥なんだか強くなったような気がしました。

窓の外の空に
ふわりと雲が流れます。

その中に、ひつじの支配人が手を振った気がしました。

りくもそっと手を振ります。「ありがとう。」

小さな声は、風にのって消えていきました。



イラストchatG P T
#創作大賞2026
#創作詩
#オールカテゴリ部門応募作品




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