Re第2夜『にっこり笑ったお地蔵さん』
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はじめに
いやぁ……これね……
今となっては、“笑って話せる”かもしれないんですけど……
実際、体験してるときは……
背中がずぅーっと……ゾワゾワゾワ……ってしてたんですよ……えぇ……。
手術が終わって……ICUにいたときの話なんですがね……
夜になると……決まって聞こえてくる音があったんです……。
それがまた……おかしいんです……。
念仏でもない、鐘の音でもない……
なのに、“命”の終わりを告げているような旋律なんですよ……えぇ……。
そしてそのあとに──
スリッパの音が、列をなして近づいてくるんです……。
あぁ……今夜も来たなって……
そう思った矢先に……あの存在が現れたんですよ……。
にっこり笑う、小さなお地蔵さんがね……そこに“いた”んです……。
※この記事の最後にはね、
私の家に今もいらっしゃる、実物のお地蔵さんの写真を載せています……。
もし、あなたがその顔を見て……
「気になるな……」「なんか、見たことあるような……」って思ったら──
それは“ご縁”かもしれませんよ……えぇ……。
手術前──視線を引く“あれ”
あれはね……手術を控えてた頃のことなんです……。
いろいろな不安が募って、気持ちの整理もつかないまま……
「ガン封じのお寺」ってとこに行ったんですよ……えぇ……。
そこはね、空気がピリッとしていて、
お守りや縁起物もたくさん並んでたんですけど……
その棚の中にね、いたんですよ……
どうしても目が離せない……ひとつのお地蔵さんが。
銀色で、丸くて、柔らかい笑顔で……
でも、どこかこっちを“見透かしてくるような”表情でね……。
「あぁ……この子、ただものじゃないな……」
そう感じたんですけど、なぜかその日は手に取らずに帰ったんですよ……。
でもね……
あれがすべての始まりだったんです……。
ICUの夜──“それ”はやって来た
手術が終わって、ICUで横になっていた夜のことです。
痛みや痒みで眠れず、うつらうつらしてたんですけどね……
そのとき……“音”が聞こえてきたんです。
ふわぁ〜……って……
低くて柔らかいようで……でもどこか不気味な……
“祈り”のような旋律。
讃美歌……のようでもあり、
でも宗教を越えた、もっと原始的な“迎えの歌”みたいな感じがしてね……えぇ……。
「……あ、来るな……」って、わかるんです。
すると……
今度は足音ですよ……
シュ……シュ……って、擦るようなスリッパの音。
1人や2人じゃない……列になって、カーテンの外を通る音。
カーテン越しにね、見えるんですよ……**黒い影がスーッ……スーッ……**って。
そいつらが、2つ隣のカーテンの前でピタッと止まって……
あの旋律が、より強くなったと思ったら──
看護師の足音。ナースコール。処置の音。
……そして、その人は、静かに運ばれていったんです……。
命の揺らぎと“あたたかさ”
あの音……
毎晩決まった時間に来るわけじゃないんですよ。
“命が消えかけたときだけ”に聞こえるんです……。
ある日なんかね……
その旋律に混じって、すすり泣く声が聞こえてきたんです……。
「パパっ……」「ごめんね……」って……
誰かのご家族の声でしょうね……。
それがまた……胸に刺さるんですよ……えぇ……。
そのあとに続いて聞こえてきたのは、やっぱりあの足音。
そして……運ばれていく音。
後日、入院中に会話できるまで回復した時に、看護師さんに聞いてみたんですけどね……
「違う配置は詳しくないので……」って、教えてはくれなかったんです。
──でも、私は聞いてしまったんです……
あの旋律と……あの足音を……えぇ……。
そして“あの存在”が現れた
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