「もう笑えないと思った日、私を救った“小さな光”の話」
「……もう、笑えないのかもしれない」
そんなことを本気で思った日がありました。
空は晴れていたはずなのに、私には真っ白にしか見えませんでした。
好きだった音楽も、花の香りも、全部が色あせて、まるで世界から切り離されたようで。
ベッドの上で天井を見つめたまま、動かない時間が何時間も過ぎていく。
スマホの通知音すら、胸を締めつける重さに変わっていく。
ただ、生きているだけ。
生きている「はず」なのに、息をしている実感がない──。
鬱病。
その診断を受けたとき、私の世界はさらに静かになりました。
理解されにくい孤独と、自分自身への嫌悪が、心の奥まで染み込んでいく感覚。
けれど、皮肉なことに。
私の心が少しだけ軽くなったのは、「癌の告知」を受けた日でした。
「〇〇さん……癌です」
医師の声は冷静で、それが逆に現実感を強くした。
普通なら絶望の底に沈むはずの瞬間。
でも私は──なぜか、泣けなかった。
その理由に気づくのは、ずっと後。
鬱病は、形のない“見えない敵”との戦い。
癌は、形があって、治療という武器を持てる“見える敵”との戦い。
私にとって、見えない敵の方が、何倍も心を蝕んでいたんです。
そこから、私は少しずつ“生きよう”としました。
一歩でも前に進むために──ではなく、ただ「今ここで、踏みとどまる」ために。
それは、大げさな挑戦でも、劇的な変化でもありません。
昨日より1分だけ長く起きている
昨日より1口だけ多く食べる
昨日より1歩だけ多く歩く
そんな小さな勝利を、自分で認めることから始めたんです。
もし今、あなたが暗闇の中にいるなら。
大きな光を探さなくてもいい。
手元にある、小さな明かりを見つけてください。
それは、必ずあなたを支えてくれるから。
この続きでは──鬱病と癌を経験した私が、どうやって小さな光を増やし、暗闇を抜けたのかを全てお話します。
あなたが、今の場所から少しでも軽くなれるために。
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