Re第5夜「視線の正体──その瞬間……」
🕯はじめに
──新しい生活って、希望に満ちているようで、
時に“何かの終わり”とすれ違うことがあるんです。
結婚を控え、新居を探していた頃。
幸せの準備が少しずつ整っていく──はずだった。
だけど、あの部屋で私は気づいてしまったんです。
「ここは人が住んじゃいけない場所だ」って。
そして、私が“見える”と、あちら側に気づかれた瞬間──
すべての空気が、変わったんです。
これは、実際に私が体験した話です。

あれは、私がまだ“壊れる前”の話です。
結婚を控え、当時の婚約者──今の妻と、
新居を探して不動産屋を何件も回っていた頃。
実は、私は“霊感”があります。
それを妻も知っていたので、こう言ってました。
「変な気配がしたら、即ナシでね。」
ええ、もちろんですとも。
私も、そんな場所に暮らす気なんてありませんでした。
そして、ある日。
数件目の内見。
その物件は、一見して“当たり”でした。
外観も悪くない。
内装もリフォームされていて、新築のように明るく整ってる。
「あれ?ここ、もしかしたらいいかも」って。
ふだんならね……
玄関に立った時点で、嫌な空気が肌にまとわりつくんですが、
そこには、それが一切なかったんです。
いや、“ない”と感じさせるのが、
すでに“異常”だったのかもしれませんが……。
部屋の中をウロウロしながら、
「いいじゃん……ここ」なんて思ってた。
妻は営業の方と何やら話していたので、私は一人で奥の部屋へ。
その瞬間でした。
──“視線”を感じたのは。
「……ん?」
誰もいないはずなのに、誰かに、じっと見られているような……
背中の奥、肩甲骨の間がざわっとして、冷える感覚。
でも振り返っても、誰もいない。
「気のせいか……」
そう思いながら、目の前のタンスの扉に手をかけて──
開けた瞬間、
ゾワ……ッ。
全身の毛穴が逆立ち、
“あぁ……いる”と直感したんです。
それでも、見えない。
目で見ても、空間は空っぽなんです。
だけど……
ふっと力が抜けて、視線を落としたとき──
そこに、いたんです。
🧊そして──その足元で、目が合った。
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「目が合った」とき、“向こう”に気づかれたあの瞬間……
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