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夏休みは、いつから短くなったんだろう。

夏になると、ときどき思い出す。


別に、大きな出来事じゃない。

家族旅行でもなければ、
特別なお祭りでもない。

ただ、

朝から鳴いていたセミの声。

冷蔵庫で冷えた麦茶。

扇風機の前を陣取って、

「あ゛〜〜〜」

なんて声を出して遊んだこと。

そんな、
どうでもよかったはずの夏の一日が、
大人になった今になって、
妙に懐かしくなる。

「夏休み」という言葉だけでワクワクした

子どもの頃。

「明日から夏休み」

この言葉には、
ものすごい力があった。

だって、

明日から学校がない。

朝から遊べる。

夜もちょっとくらい遅くまで起きていられる。

そして何より、

夏休みが永遠に続くような気がしていた。

終業式の日。

通知表をもらって、
大量の荷物を抱えて家に帰る。

道具箱。

上履き。

絵の具セット。

学校に置きっぱなしだった謎の荷物まで、
なぜか最終日に全部持ち帰るꉂ🤣𐤔

両手いっぱいになりながら家へ向かう道。

暑い。

重い。

汗だく。

なのに……

気分だけは最高だった。

「明日から夏休みだ‼️」

それだけで、
足取りが軽かった。

朝のラジオ体操

夏休みなのに、
なぜか早起きさせられる。

そう。

ラジオ体操。

眠たい目をこすりながら、
首からカードをぶら下げて集合場所へ向かう。

朝なのに、
すでに少し蒸し暑い。

近所の友達が集まって、

「おはよー」

と言いながらも、
みんな半分くらい寝ているꉂ🤣𐤔

そして、

♪ 新しい朝が来た〜

あの音楽が流れる。

ちゃんと体操していたかと言われると……

まあ……

そこは置いておこうꉂ🤣𐤔

大事なのは最後。

カードに押してもらう、

あのハンコ。

ポンッ。

たったそれだけなのに、
妙な達成感があった。

帰り道。

友達と、

「今日なにする?」

そんな相談をする。

まだ朝の6時半くらい。

一日は、
始まったばかりだった。

午前10時までが長かった

今思えば不思議なんだけど、

子どもの頃って、
一日がものすごく長かった。

朝ごはんを食べて。

宿題を少しやって。

……少しだけねꉂ🤣𐤔

時計を見る。

「まだ9時⁉️」

今なら、

「もう9時⁉️」

なのに。

同じ一時間のはずなのに、
子どもの頃の時間は、
ゆっくり流れていた気がする。

外へ出れば、
太陽は容赦なく照りつけていた。

アスファルトから立ち上る熱。

遠くで聞こえるセミの声。

自転車のタイヤが道路を転がる音。

カゴには虫取り網。

友達と、

「カブトムシおる場所見つけた‼️」

なんて言いながら、
秘密基地でも見つけたかのように走っていく。

木の根元を探したり。

樹液が出ている木を覗いたり。

草むらに入って、
足を蚊に刺されまくったり。

「ここ絶対おるって‼️」

根拠なんてないꉂ🤣𐤔

それでも本気だった。

子どもの頃って、

何でもない場所を冒険に変える天才だったのかもしれない。

お昼になると、いったん家へ帰る

「ご飯だから帰ってきなさい!」

そんな声が聞こえてくる。

汗びっしょりで帰宅。

玄関を開けた瞬間、
少しひんやりした家の空気。

そして、

冷蔵庫を開ける。

麦茶。

あの頃の麦茶って、
なんであんなに美味しかったんだろう。

コップいっぱいに注いで、

ゴクゴクゴク……

「ぷはぁ〜‼️」

大人になった今ならビールなのかもしれないけれど、

子どもの頃の麦茶は、
たぶんそれ以上だったꉂ🤣𐤔

昼ごはんは、

そうめんだったり。

焼きそばだったり。

チャーハンだったり。

テレビでは、
夏休みのアニメや再放送。

扇風機が、

ブォォォォ……

と首を振っている。

その前に寝転がって、

「あ゛〜〜〜〜」

誰でも一度はやったんじゃないでしょうかꉂ🤣𐤔

声が震えるのが面白くて、
何度もやる。

そして怒られる。

これも夏休み。

午後の静けさ

昼を過ぎると、
少しだけ時間の流れが変わる。

午前中の元気いっぱいな夏とは違って、

午後の夏は、
どこか眠たい。

カーテン越しに入ってくる、
白っぽい光。

テレビの音。

遠くのセミ。

扇風機。

畳や床に寝転がる。

宿題をやろうと思っていたのに、

気づけば……

寝ている。

目を覚ますと、
午後3時。

なんとなく寂しい。

「今日が終わってしまう」

そんな気がする。

でも冷蔵庫には、

アイスがある。

復活‼️ꉂ🤣𐤔

夕方の夏が、いちばん好きだった

昼間あれだけ暑かったのに、
夕方になると風が変わる。

空が少しずつ、
青からオレンジ色へ変わっていく。

ヒグラシが鳴く。

カナカナカナ……

昼間のセミとは違う、
少し寂しい声。

遊び疲れた身体で、
自転車を押しながら帰る。

「また明日な!」

「おう!」

明日も会える。

だから、
別れなんて寂しくなかった。

家に近づくと、
どこかから夕飯の匂いがする。

カレーかな。

焼き魚かな。

そんな匂いを嗅ぎながら、
家へ帰った。

夜には夜の楽しみがあった

お風呂に入って。

夕飯を食べて。

テレビを見て。

いつもなら寝る時間なのに、

「夏休みだから」

という謎の特権で、
少しだけ夜更かしが許される。

花火をした夜もあった。

蚊取り線香の匂い。

水を入れたバケツ。

手持ち花火。

最初は勢いよく火花を散らしていたのに、
だんだん小さくなって、

最後に、

ポトッ……

と落ちる。

線香花火を誰が一番長く残せるか。

そんなことで本気になった。

そして花火が終わると、

さっきまで明るかった庭が、
急に暗く感じる。

夏の夜は不思議だった。

楽しいのに、

少しだけ寂しかった。

夏休みは、いつから短くなったんだろう

子どもの頃。

夏休みは、
果てしなく長かった。

7月。

8月。

カレンダーを見ると、
まだまだ休みがある。

なのに、

8月20日を過ぎたあたりから……

急に現実が襲ってくる。

そう。

宿題。

読書感想文。

自由研究。

計算ドリル。

漢字。

絵日記。

「まだ大丈夫」

と言い続けていた自分が、

8月31日、

突然すべての責任を背負うꉂ🤣𐤔

「なんでやってなかったの‼️」

親に怒られる。

いや……

それは……

7月の俺に言ってくれꉂ🤣𐤔

だけど。

あんなに長かった夏休みも、
最後の日になると、

驚くほど短く感じた。

そして大人になった今。

夏はもっと短くなった。

気づけば7月が終わり。

お盆が来て。

気づけば8月も終わる。

昔は一日があんなに長かったのに。

たぶん、なくなったんじゃない

大人になった僕たちは、

予定を見て、

時計を見て、

スマホを見て、

次にやることを考えながら暮らしている。

だから、

目の前の一日を、
じっくり味わう時間が減ったのかもしれない。

でも、

夏の夕方。

ふと聞こえてきたヒグラシの声。

誰かの家から漂ってくる、
夕飯の匂い。

遠くで聞こえる、
子どもたちの笑い声。

スーパーで見つけた、
昔よく食べたアイス。

そんな瞬間に、

忘れていた夏が、
ひょっこり帰ってくる。

「あぁ……懐かしいな」

そう思った瞬間だけ、

僕たちは少し、
あの頃へ戻れるのかもしれない。

虫取り網を持って走った道。

友達と自転車で駆け抜けた夕方。

冷たい麦茶。

扇風機。

花火。

夏祭り。

セミの声。

宿題から逃げ続けた8月ꉂ🤣𐤔

特別な思い出じゃなくていい。

むしろ、

何でもなかった一日のほうが、
不思議なくらい心に残っている。

もしかすると、

幸せって、その瞬間には気づかないものなのかもしれない。

あの頃の僕たちは、

「今日も楽しかった」

なんて、
わざわざ考えなかった。

ただ遊んで、

笑って、

疲れて、

眠った。

それだけだった。

だけど今振り返ると、

そんな一日こそが、

とても贅沢だったんだと思う。

今年もまた、
夏がやってきた。

昔と同じ夏ではない。

戻ることもできない。

それでも。

冷たい麦茶を一杯飲んで、

少しだけスマホを置いて、

夕方の空でも眺めてみよう。

カナカナカナ……

どこかでヒグラシが鳴いていたら、

忘れていた夏休みが、

そっと心の中から顔を出すかもしれない。

そして、

「あの頃、楽しかったな」

そう思えたなら。

それだけで今日は、
少し優しい一日になる。

あなたの記憶に残っている、

「夏休みの匂い」

は、なんですか?

麦茶でしょうか。

蚊取り線香でしょうか。

プールの塩素でしょうか。

花火でしょうか。

それとも、
おばあちゃんの家の匂いでしょうか。

よかったらコメントで、

あなたの「忘れられない夏休み」を
ひとつ教えてください🍉

誰かの思い出を読んだら、

また別の誰かの夏が、
ふっと蘇るかもしれません。

今年の夏も、

いつか僕たちが

「懐かしいな」

と思い出す夏になるのでしょうね。

そう考えると、

なんでもない今日も、
ちょっとだけ大切にしたくなりますね🍀

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