視聴者が不道徳を嫌う傾向とその対策 (2699文字)
テレビプロデューサーの佐久間宣行(さくま のぶゆき)氏が「現在のテレビ視聴は、放送時にその番組を観るのではなく、ネットの評判で後追い的にTver(「てぃーばー)民放公式テレビ配信サービス)で番組を視聴することが一般化している。そうなるとネットでの話題性が重要になる。現在は、口喧嘩というか小競り合いを内容とするものがTverの再生回数を稼いでいる。」(投稿者意訳)と語っていました(特番の「ひっかかりニーチェ」)。
佐久間氏は実例としてご自身が立ち上げたテレビ番組『ゴッドタン』での企画の視聴回数の変移を上げておられました。
私は、お笑い番組が好きなので毎週のように録画し、それらを視聴しさらにDVDに残しています。
以前は、番組の初見は録画したものだったのですが、最近はできるだけ放送時に観るようにしています。それは、番組が醸し出す空気感が放送時刻と合っているような気がして、リアルタイムで放送を観た方が楽しさが倍加するように思うからです。
私の視聴姿勢は置いておいて、話を戻します。
現代は「不道徳なことは一切許さない。」という風潮のように思われます。
新型コロナウイルス感染が心配されると、自粛警察と呼ばれた自警団が密かに活動しますし、芸能人が不倫などしようものなら散々な目に合います。
かといって、不法入国の外国人を探し出して官憲に引き渡そうという運動が起きないのは、不道徳を罰するという行動は「手頃でありかつ自分の身に危険が及ばない範囲で行う。」ものである必要があるのでしょう。
不法入国の外国人って、その母国ではギャングだったなんてことが有り得ますから(アメリカの不法移民などはそういうのが少なくないネットでは報道されています。)、素人が関与するには荷が重いです。
さて、仮に日本の社会が本質的に「不道徳を許さない」という社会になったのであれば、Tverの視聴回数を稼ぐのは道徳的な番組でなければならないように思いますが、冒頭の佐久間氏のご発言のようにそういうことではないようです。
どちらかというと、道徳性が低い内容の番組回が視聴回数を稼いでいます。
これは、一つの矛盾です。
私個人は、故志村けん氏のスイカ早食いのようなのが好きなのですが、そういうのをテレビ放送すると「食べ物を粗末にしている。」といったクレームが入るそうです。
私はそういうクレームを「正論だけど一種の偽善でもある。」と思っていますが、テレビ局も番組提供企業も、偽善だろうとなんだろうと正論のクレームには対応しなければなりません。
私は、「クレームを無視した番組作りができないのか。」と思いますが、それは難しいようです。
私は、現代の「不道徳許すまじ」という風潮は、あまり多くない人たちの単なる「気取り」だと思っています。ただ、彼らの声が大きくさらに回数も多いので「大衆の意見」みたいに映ってしまうのでしょう。
私は、ドツキ漫才のような暴力的なネタは好みませんが(錦鯉の「こんにちわー!」「うるさいって!」の頭叩きが許容の限界です。)、芸人さんが身体を張ったロケなどは面白いと思いますし、「いじめにつながる」とは思いません。
よくテレビ番組の効果として「いじめ」への影響を言う人がいますが、もし本当にいじめをなくしたいのであれば、学校では副担任が休み時間や授業後も教室に常駐し児童や生徒を監視すればいいと思いますし、クラブ活動でも必ず管理者が部員を監視し、学校外では保護者が児童や生徒を監視し、いじめを見つけたらすぐ通報し、いじめた児童・生徒に例外なく厳しい罰を与えるというシステムを作るべきだと思います。
また、ネットでの仲間外れとか陰口が問題視されているので、本名以外でネットに書き込みした場合も厳罰にすることも必要でしょう。(これらの考えの多くはおそらく教職員組合から猛反対されると思います。)
いじめをなくせというという人たちは、こういうことを実現する行動を取るべきではないかと思います。
それはそうれとして、テレビ番組の内容にクレームを入れるという行為は、それが軽い負担で正義を行使したという快感を得るちょうどいい手段だからではないかと思います。
そうそう、私はテレビについて一つ提言があります。
テレビ局は圧力団体の圧力に弱いという面があります。
あるテレビ局では、「ハングルを使えなければ出世できない。」(と、そのテレビ局のアナウンサーが言ったそうです。)というのは、圧力団体の圧力に負けたテレビ局がそのように変質したのだと思います(テレビ局に限らず、左翼系の組織はどういうわけか外部からの圧力や攻撃に脆弱で、圧力団体の圧力や攻撃に屈する事例が多いように感じます。)。
そこで、放送局に対するデモやクレームを一切禁止する法律を作るべきだと思います。
もし、放送局に圧力団体が圧力を掛けたら、理由はどうあれ直ちに警察がそれを排除するというシステムが作られたら、放送局が非合法な組織や外国勢力からの圧力から守るものと思います。
しかしそうなると放送局が暴走し、やりたい放題をしないとも限りません。というか、テレビ局の人間はそういう聖域にいることを利用してきっとろくでもないことをやるでしょう。また、そうなると放送局は反政府的な番組制作を控えるという忖度(「そんたく」他人の心中をおしかはること。推察。)に走る恐れもあります。
そこで、総務省とは別の民間の監視組織を作り、放送局の放送内容の監視と、民間からのクレーム処理を行うようにします。
完全な民間組織なら、政府への忖度は多くないでしょうし(総務省等の官僚の天下り先になると、忖度や遠慮が強く働くことになるでしょう。)、適切なクレームだけを抽出して当該放送局に転送したり、必要なら管轄官庁へ連絡することもできます。
この民間の監視組織は、視聴率調査会社の株式会社ビデオリサーチ(Video Research Ltd. 略称 "VR")のように内部秘匿性の高いものにすれば圧力団体からの圧力対象にも、総務省からの天下り先にもなりにくいと思います(ただし、株式会社ビデオリサーチは、電通グループが 34.2%の株を持ち、少数株主としてTBS、テレビ日本テレビ放送網、フジ・メディア・ホールディングス、テレビ朝日テレビ、東京毎日放送朝日放送等の民間放送会社が株主になっているいわば身内の会社です。こうなると、完全な独立性を維持できなくなるので、組織形態を別途検討する必要があります。)。
