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【思考の整理術】語彙は片道切符ではない。受け手で完成する言葉の設計図 第1回 #朝の活字習慣

第1回 「伝える側だけが努力しても届かない」

「わかりやすく書いたのに、伝わらない」

最近、こんな場面を見かけませんか?

誰かが丁寧に書いた記事に、「意味不明」ってコメントがつく。
一生懸命説明したのに、「結局何が言いたいの?」と言われる。

書いた側は傷つくし、読んだ側は不満を感じる。

でも、ちょっと待ってください。

これ、どっちが悪いんでしょう?

語彙力ブームの、落とし穴

書店に行くと、「語彙力」「言語化」の本が並んでいます。

SNSでも、「伝え方」のテクニックが溢れてる。

「もっとわかりやすく」
「相手に響く言葉を選ぼう」
「語彙を増やそう」

でも、ふと思うんです。

送る側ばっかり頑張って、受け取る側はどうなんだろう?

どんなに丁寧に言葉を選んでも、受け手が「ながら読み」してたら届かない。
どんなに工夫して書いても、読み手が見出しだけ見て判断したら意味がない。

コミュニケーションって、送る側と受け取る側、両方がいて初めて成立するはずなのに。

今、バランスが崩れてる気がするんです。

「早読み」が生む、すれ違い

通勤電車の中、カフェの待ち時間、寝る前のベッドの中。

私たちは毎日、大量の文章を読んでいます。

でも、ちゃんと読んでますか?

正直に言います。私も「流し読み」してること、めちゃくちゃ多いです。

見出しをパッと見て、「ああ、こういう話ね」と決めつける。
太字だけ拾って、「だいたいわかった」と思い込む。
最後まで読まずに、「なるほどね」と閉じる。

そして数時間後には、何が書いてあったか思い出せない。

これ、本当に「読んだ」と言えるんでしょうか?

受け手の「解像度」が、下がっている

もう一つ、気になることがあります。

SNSやニュースアプリって、「わかりやすさ」を追求してますよね。

短い文章。
シンプルな表現。
結論が最初に来る。

これ自体は悪いことじゃないんです。

でも、その環境に慣れすぎると、少し複雑な文章が読めなくなる

ちょっと長い文を見ると、「読む気が失せる」。
前提知識が必要な話は、「難しい」と敬遠する。
ニュアンスのある表現は、「わかりにくい」と切り捨てる。

受け手の「読む筋力」が、落ちてきてるんじゃないかって思うんです。

誤読は、誰のせい?

たとえば、こんな文章があったとします。

「この方法は、万能ではありません。状況によっては別のアプローチも検討してください」

これを読んで、

「使えないってことね」と受け取る人もいれば、
「場合によっては有効ってことね」と受け取る人もいる。

同じ文章なのに、受け取り方が真逆。

これ、書き手が悪いんでしょうか?

もちろん、もっとわかりやすく書けた部分はあるかもしれません。

でも、読み手が「最後まで読まない」「前提を確認しない」「文脈を無視する」なら、どんな書き方をしても届かないんです。

この連載で、何を目指すのか

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

もしかしたら、「読み手を責めるのか」と思われたかもしれません。

でも、違うんです。

責めたいんじゃなくて、バランスを取り戻したいんです。

送る側も、受け取る側も、両方が少しずつ歩み寄る。そんなコミュニケーションを取り戻したい。

この連載では、こんなことを一緒に考えていきます。

  • どうすれば「ちゃんと読める」ようになるのか

  • 語彙を「自分のもの」にするって、どういうことか

  • 感情と言葉を、どう切り分けるのか

  • 送り手と受け手が一緒に語彙を育てるには

難しい話はしません。朝のちょっとした時間に読めて、今日から使える小さな習慣を、一緒に見つけていきましょう。


語彙力って、「知ってる単語を増やすこと」だと思われがちです。

でも、本当はそうじゃない。

他人の言葉を、自分の言葉として受け取る力。それも立派な語彙力なんです。

次回は、その具体的な方法を見ていきます。

「読んだのに残らない」から抜け出す、小さな習慣の話です。


次回予告
記事を読み終えた後、内容を一行で説明できますか?「わかったつもり」を「ちゃんとわかった」に変える、受け手側のリテラシーを磨いていきます。



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