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日本における同調圧力の正体とは?

はじめに

私は、フランスに暮らして丸8年になろうとしています。そのほとんどを高等教育機関(大学・大学院)で過ごしてきました。私の専攻が「社会学」であることも相まって、言葉の定義に敏感になっています。

「日本は同調圧力が強い」。日常の会話やニュースの論調において、このフレーズはまるで決まり文句のように使われてきました。生きづらさを語る時、あるいは組織の硬直性を批判する時、私たちは反射的にこの言葉を口にしがちです。しかし、少し立ち止まってその言葉の意味を厳密に解きほぐしてみると、私たちが捉えている「社会の歪み」の正体は、実は少し違った場所にあるのではないかという疑問に突き当たります。

今回は、曖昧に使われがちな「同調圧力」という言葉の定義を出発点に、日本社会が抱える真の課題についてロジカルに考えてみたいと思います。


1.「同調圧力」は本当に日本固有のものなのか

まず、「同調圧力」という言葉の定義を定めてみましょう。ここではこれを「社会やグループの規範に適応するように求める周囲の視線や言葉による強制」と定義します。

この定義に照らし合わせた時、周囲の目を気にする心理や、一定の規範に適応させようとするプレッシャーは、果たして日本に特有のものと言えるでしょうか。答えは否です。人間が社会的な生き物である以上、集団のなかで協調を求められるのは世界中どこでも同じです。英語圏における "peer pressure"(仲間からのプレッシャー)"conformity"(同調)が示す通り、人間の心理的メカニズムとして普遍的に存在するものです。

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