絶対安全なんてありえない──薬害エイズから考えるコロナワクチンと参政党“検証法案”の意味
新型コロナワクチンをどう評価するか。
薬害エイズなど過去の薬害の歴史を
踏まえると、「絶対安全」という
言葉は本当にありえるのか──
そんな問題意識で書いた文章です。
0|コロナとワクチンを、いちど立ち止まって考えたい
令和7年12月9日、
参政党が
「新型コロナ感染症対策及び
mRNAワクチン施策等検証委員会の
設置等に関する法案」
を参院に提出しました。
ざっくり言えば、
コロナ対策とmRNAワクチンの作用・
効果・副反応などを、内閣の下に
専門委員会をつくって検証しよう、
という提案です。
このニュースを見たとき、
私の頭に浮かんだのは、河野太郎氏の
「アメリカで2億回ぐらい打ってるが、
ワクチンで死んだ人は一人もいない」
というフレーズでした。
あの強い“安心メッセージ”と、
「検証委員会をつくろう」という今の流れ。
その落差に、どうしても歴史の
パターンを思い出してしまいます。
1|薬害の歴史が教えてくれること
戦後の日本には、「絶対安全」と
されていた薬が後から大きな被害を
生んだ事例がいくつもあります。
血友病治療薬が原因となった
薬害エイズ。
妊婦が飲んだ睡眠薬サリドマイドで、
生まれてきた子どもに手足の奇形などが
多発した事件。
整腸剤キノホルムが原因とされた
スモンでは、
しびれや麻痺、視力障害に苦しむ人が
一万人以上確認されています。

厚労省の庁舎前には、
こうした被害を二度と繰り返さないと誓う
「誓いの碑」まで建っています。
本来なら、「薬はゼロリスクではない」
「絶対安全という言葉は何度も裏切られてきた」
というところから、
議論が始まるはずの国なのです。
2|コロナワクチン「2億回で死者ゼロ」発言が引っかかる理由
もちろん、「接種後に亡くなった人」と
「ワクチンが直接の死因と認定された人」は違う、
という説明自体は成り立ちます。
けれど、日本でも医師が死亡診断書に
「新型コロナウイルスワクチン接種」
と記載した例があることが報じられています。
多くの命を救ったのも「事実」で、
接種が死因だと疑われる人がいるのも「事実」。
だとすれば、
本来ふさわしいメッセージは、
「基本的には有効で、多くの人を守ってきた。
ただし、ごく一部に重大な副反応や
死亡例があるかもしれない。
だからこそ慎重に検証していこう」
というようなものだったはずです。
それが、「2億回で死者ゼロ」とまで
言い切られたところに、
歴史を知る身としては強い違和感があります。
3|コロナ禍の3年間、ワクチン慎重論すら言いにくかった空気
私が一番問題だと思うのは、
賛成派・反対派の対立そのものでは
ありません。
「ちょっと慎重に行こう」
「負の面も見よう」と言うだけで、
デマ扱いされたり、
「反ワク?」「陰謀論?」とレッテルを
貼られやすかった空気です。
YouTubeは誤情報対策として、
ワクチンを危険だと断定する動画の
削除を進めました。
その目的には一定の妥当性がありますが、
現場の感覚としては、
リスクを冷静に語るだけの動画まで
巻き込まれて消されていく窮屈さもありました。
日常でも「様子を見たい」「副反応が怖い」
と口にすること自体が、
“人としてどうなの?”と責められるような
雰囲気がありました。

薬害エイズの被害者たちも、
大げさだと切り捨てられたり、
いわれのない偏見の中で、
声が届くまでに長い時間がかかりました。
同じ「慎重さの封じ込め」が、
また起きていたように見えてしまうのです。
4|参政党“検証法案”が持つ意味
だからこそ、参政党の検証委員会法案には、
私は一定の意味を感じています。
ワクチン賛成か反対かを決める前に、
「まずはデータと現場の声を
そろえて検証しよう」
と国会で公式に言う政党が
出てきたこと自体が、あの3年間を
知る身としては一歩前進に思えるのです。
厚労省の「誓いの碑」は、
「薬害エイズのような悲惨な被害を
二度と発生させない」
と刻んでいます。
その誓いを本気で守るなら、
「絶対安全」と言い切ることでも、
リスクを指摘する声を封じることでもなく、
疑問や不安を、早い段階から
テーブルに載せて検証する場
こそ整えるべきではないでしょうか。
5|絶対安全ではなく、「疑問を言える場」を
薬もワクチンもゼロリスクではありません。
必要なのは、「危険だ」「安全だ」
という二択の勝ち負けではなく、
良い面も悪い面も並べたうえで、
次の一歩を決めることだと思います。

参政党の検証法案が、すべてを
解決してくれる魔法の杖ではないにせよ、
「あのとき、慎重に検証する場を
作ろうとしたよね」
と後から振り返れるようにしておきたい。
そんな気持ちで、この文章を残しておきます。
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