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異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第16話「アリサ、冥界へ再び!フォーカス21で死んだ家族と再会」【7割リアル連載小説】

真由美が入院している間にアリサはとんでもないことをしていた。


「真由美、私ね、あの後三回連続で冥界に遊びに行ったの。でも、閻魔さまに会えたのは四回中三回だけなの。二回目に行った時は会えなかったから」


「えっ?最初に閻魔さまに注意されたから、もう冥界には行かないって約束したんじゃなかったの?」

 
「まあそうなんだけど……、私って秘境ツアーコンダクターじゃない?ミステリアスな場所が大好きで、冥界はお客さんなしで自由に行けるし。なんだか血が騒いじゃってさー。面白い場所には何度でも行きたくなるものよね。もう抑えきれなくなっちゃったわ!」

 

真由美は呆れ果てて、声を失ってしまった。閻魔さまも、きっと困り果てていることだろう。


それでも、アリサの話は興味深い。真由美は面会時間ギリギリまで、冥界の話をもっと聞きたくなった。


これまでアリサは閻魔宮殿の様子や閻魔さまとの会話を話してくれていたが、今回はアニメや小説の空想の世界でも聞いたことのないような話に展開していった。

 
「冥界に行って戻ってきた人たちがフォーカス21なんてオシャレな呼び方をしているのは知ってるわ。でも、私が見たのはそんなものじゃなかった。フォーカス21って、AIによると『非物質の世界と現実世界の境界領域とされ、この領域ではガイドやハイヤーセルフなどの非物質の生命存在と遭遇しやすい』らしいの。それぞれが思い描くビジョンが投影されるとも言うけどね。でも私が見た冥界は、明るくて賑やかな場所だったの。神秘的で侘しい感じだなんて全然違った。確かに秘密を探りに行く場所だけど、今では中毒みたいに無性に行きたくなる場所になったわ。本当に自由で制限がなくて、まるでパラダイスみたい。ただね……亡くなった家族には迷惑かけちゃった。真由美は閻魔さまの宮殿しか覚えていないみたいだけど、私はそれ以外の場所を探検してきたのよ。怖い場所もあるけど、めちゃくちゃ楽しい場所もあるの。なんというか、台湾の夜市みたいな感じかな。活気があって人がたくさんいてね。誰もが一度死ぬと閻魔宮殿に行く前にそこに立ち寄るみたい。夜市も種類が豊富で、店主たちは人間じゃなくて鬼なのよ。鬼なんて作り話だと思う人が多いけど、昔は下界にいたんだから。日本に鬼という字が入った地名が多いのもその名残だと言われてる。地球人に迫害されて、今では安全な冥界にみんな移動しちゃったけどね。ねえ、真由美も冥界で鬼に会ったでしょ?」


ここで、アリサは一呼吸置いた。


「私が夜店で会った鬼たちって、みんな気前が良くて、すごくイケメンなのよ。あそこでは何でも望みの物が食べられる仕組みになっていて、鬼たちも『姉さん、これどうぞ!』って感じでサービスしてくれるの。そういえば、二回目に行ったときに初めて夜店でゼリーパンを食べたんだけど、これが本当に美味しすぎてヤバかった!この世の物とは思えない……いや、実際この世の物じゃないけど、とにかくすごく美味しいの!『美味でございます!』って思わず大声で叫んじゃったわ。あの味をどう表現したらいいのやら……でも、問題は代金なの。冥界の夜店では死者は一銭も支払う必要がなくて、冥界に行った途端に上からお金が降ってくる仕組みになってるの。しかもポイント制まであるのよ。笑えるでしょう?まるでゲームの世界みたいで、どうやら下界で積んだ功徳が還元されている感じなの。あと、愛情をいっぱい受けた人もポイント対象になるのかも。でも私は死んでないから冥界で使えるお金もポイントも持ってなくて……つまり、無銭飲食しちゃったのよ。そもそも生きてる人間が夜店で食べる権利なんてないんだけどね。その後、ゼリーパンを食べたことで大騒ぎになっちゃったの。死んだ家族が血相を変えて出てきて、みんな大パニック。『お願いだから、アリサ、冥界に来てまで恥ずかしいことをしないで頂戴!』って怒られたわ。どうやってお金を工面したのか分からないけど、家族が方々からお金を集めてくれて、無事ゼリーパンの代金を支払ってくれたの。その後、『いい加減にしろ!もう二度とここには来るな!』って死んだ家族全員に怒られちゃった」


その情景を思い浮かべた真由美は、病院のベッドで笑い転げた。



第17話へ続く

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