異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第9話「閻魔宮殿で究極の珍事」【7割リアル連載小説】
閻魔さまとの対話を楽しんでいるアリサは、さらに深い話を聞き出したいという思いが高まっていた。
「ええ、時間の流れ方が地球と他惑星で違うという話は知っています。ところで、閻魔さま。これまでで最も説得に苦労されたのは、やはりあの国の霊魂ではありませんか?」
その質問を受けた閻魔さまは、一瞬躊躇し、沈黙が場を包んだ。
「それがね……意外に思うかもしれませんが、実は、あなたの住む日本から来た男性が、とんでもないことをしでかしたんですよ。一例だけですが……あれには本当に驚きました。あなたが今日ここに来たことにも驚いていますが、日本人は基本的に大人しくて規律正しい印象があります。それでも、やはり稀に例外がありますね。あの一件以降、今度は日本人以外がここで奇妙な事件を起こすのではないかと、悪い予感がします」
「え?その稀なケースって何ですか?閻魔さま、その話をぜひ聞かせてください!」
「いやぁ、これを話していいのかどうか……でも、アリサさんは本当に私から話を引き出すのがお上手ですね。ハハハ。参りました。それでは、少しだけ教えましょう。私も長いキャリアを通じて、まさかあのような事件がここで起こるとは思いませんでした。私は皆さんに強制はしませんが、天界に向かう方が楽だといつもお伝えしています。それにも関わらず、超難関の獄界を経て下界に戻ろうとする者が時々現れるのです。しかし、多くの場合は途中で挫折して、結局ここに戻ってきます。ところが、どうやって知ったのか見当もつきませんが……ある日本の男が、突然ここにいる鬼の首に噛みつき、その血を吸ったのです。そして、あっという間に下界へと戻っていきました。“鬼の血を吸えば下界へ簡単に戻れる”、そんな話を一体どこで聞いたのでしょうかね。今のところ、それを実行したのはその日本の男だけです。よほどの恨みや心残りがあったのでしょう。私も不意を突かれて、何も手を打つことができませんでした。これまでにないケースだっただけに、その者への裁きはまだ下していないです。例外中の例外ですね」
アリサは自分の心臓が飛び出るかと思うほど驚いた。
「エエ~~~!それ、怖いじゃないですか!それで、その人、下界に戻って今は何をしているんですか?」
閻魔さまは喉奥で笑いを噛み殺しながら淡々と応じた。
「アリサさんが怖がるなんて、冗談ですよね?まあ、詳しくは教えられません。下界では、かなりの有名人ですからね。現在、あの者のことは天界の神々や下界の各神社に任せています。正義感の強い人間は最終的には天界へ行きますが、憎しみが強すぎると、何をしでかすか分かりません」。
続く
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第10話「月とトランプの関係」他
