性の起源

性の起源

 私たちの生命の原型は、海中のマグマが吹き出している深海熱水口付近で、およそ三十五億年前に誕生したという説が一般的理解である。

その原核生物や、さらに進化した原生生物が生命の起源であるという理由によって私たちの先祖には違いない。

では「性」はいつから、どうようにして作られたと考えられるのか。私たちは「性の起源」(リン・マーグリス、ドリオン・セーガン著)を紐解いてみた。

この書で「性」の定義が、私たちが考えている雌雄の動植物、あるいは生殖行為をともなう「性」のイメージとはかけ離れた概念を提出している。それによると「性は最初に細菌で出現した。」という。

〇・五~約五ミクロンの微生物で出現し、さらにプロティスト(単細胞の原生生物)という大型で複雑な微生物が発生している。減数分裂(細胞分裂で染色体を半減させること)と授精(細胞の再統合で染色体数を元に戻す)が、すでにこの単細胞原生細胞で既に行われ、また細菌では分子レベルでの生物学的混合や整合で、DNA分子のスプライシング(切断連接)や修復を性の発生であるとしている。

つまり生殖を伴う異性の存在が条件ではなく、細胞レベルで何が行われるかによって、「性」の起源を捉えていることになる。

このことから原生微生物も人間の性も、分子レベルでは行為自体は同質になる。有性生殖を経ても、経なくても子孫は増やせるからだ。

「細胞内の低分子化合物と、ポリメラーゼと呼ばれる特殊な酵素(核酸合成酵素)の存在下で、DNAは次のDNA分子を合成する。」(「性の起源」より) 

「成長する生物の細胞内ではDNAの複製が作られ、DNAに蓄えられた情報を含むRNAが合成され、そのRNAから新しいタンパク質が合成される。細胞は食物を取りこみ、DNAやRNAの指示に従ってそれを加工処理し、容積が二倍になるとついに分裂する。一個のDNA分子が複製で二個になり、一個の細胞は生殖を経て二個の細胞になる。」(同)

ここに分子レベルの生殖による自己維持活動が、DNA複合による新たな連続性の細胞継承を示している。地球上に自己維持能が誕生して以来、消失することなく細胞分裂は繰り返され、自然が生み出した生命の持続は先験的にシステム化されている。それは、停止という装置がDNAには組み込まれていないからだともいえる。

体細胞分裂では姉妹染色体が形成後に分裂中期では分離され、各紡錘体極へと到達した姉妹細胞が脱凝縮し、極微小管は消失、角膜と核小体が再び形成され、ゴルジ体の再形成が起き、赤道面から切断される。驚くべきことは、真核細胞などの極小細胞が自力でこの行動を完了できるということにある。

人間の科学では分析はできても、この原生細胞ともいえる段階の生命を、生み出すことはできず、その発生の仕組みを利用することしかできない。

進化の過程で生殖が行われ、雌雄が別の個体へと分離すらもしていくことになった。このことすらも、人間が仕組んだ訳ではなく、私たちは結果を享受するという生命の限界線に立ち尽くすしかない。

細胞には核のない原核細胞と、核のある真核細胞がある。この原核細胞には原核生物と呼ばれている生物がいる。

例えば大腸菌、乳酸菌、淋菌などの無性生殖をするものたちだ。また一方、真核細胞には真核生物がいる。

真核微生物では、緑藻類、繊毛忠類などの単細胞生物と、猫、ペンギン、バラ、キノコ、海藻などとの多細胞生物で、幅が広い。

これらには有性生殖をするもの、有糸分裂するもの、減数分裂から授精するするものなどと多彩だ。人類も、ここに入っている。

細胞は地球上に生命が誕生して以来の初源の生命といえる。そのころの地球はまだオゾン層もなく紫外線や放射線など、生命にとっては有害に破壊光線が降り注いでいた。

では、なぜそのような危機的な環境の中で生命の原型は、存在し続けられたのか。生命は海中のマグマ付近で誕生し、それらの有害光線が運良く届きにくかったという説がある。

しかし、原核細胞は自力で核分裂をし、増殖し始め、さらに紫外線などによ有害光線で損傷したDNAを修復する耐性をすら身につけたのだ。

この修復には二種類があり、DNAは二つの螺線が融合することは知られている。

もし、一方の螺線が損傷を受けた場合、相補性分子のため、全く別の新たなDNA 分子を損傷修復の情報源として融合する。

これを損傷DNA修復機構という。もし、両方のDNAが損傷を受けた場合は、損傷を受けたDNA内で自己複製してしまう。これはSOS修復機構という。(B.Alberts著「細胞の分子生物学」他参照)

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n. shimamura よろしくお願いします。