基礎年金のCR化構想 - その裏側 -(4)
第4回
数字を置いた瞬間に、私は何を見たか
年金制度の議論は、抽象的な理念を語っているうちは、多くの賛同を得やすい。「公平な社会」「将来の安心」「知識格差の解消」——これらの言葉に反対する者はいないからだ。 しかし、ひとたび議論の机上に「具体的な数字」を置いた瞬間、空気は一変する。
「その財源はどこから来るのか」 「行政コストの削減とは、具体的にいくらなのか」 「第3号被保険者の既得権をどう守るのか。そのコストは誰が払うのか」

こうした問いは、時に改革を止めるための武器として使われる。数字の大きさに怯え、現状維持という名の緩やかな死を選ぶのが、これまでの日本の姿であった。 本連載の最後に、私が数字を置いた瞬間に立ち現れた「改革の本当の重み」、そしてその先に見えた確信について書きたい。

数字は「改革を止めるため」ではなく「進めるため」にある
ここから先は
3,342字
/
10画像
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
