【簡単あらすじ】夏の終わりに君が死ねば完璧だったから(微ネタバレ)【斜線堂有紀/メディアワークス文庫】
『 単刀直入に言うよ。エト、私を相続しないか?』
難病・多発性金化筋繊維異形成症、通称「金塊病」。
この病気に罹ると、身体が段々と金塊化してしまい、最後には全身が約三億円の金塊になってしまう。
中学三年生のある夏、江都日向は、金塊病の患者を受け入れているサナトリウムで治療を続けている、大学三年生・都村弥子との交流が始まった。
「私にチェッカーで一度でも勝ったら、三億円を譲る」
という会話から始まった、二人のひと夏の物語。
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『はじめに』
今年は各地で大雪の被害が出る等、最近では久しぶりのちゃんとした冬になっています。このような状況では「寒くて外出したくない(したくても出来ない)」という方が多いと思いますが、逆に言うと「室内での読書が捗る時期になった」とも言えますので、私だけでなく読書好きとしては良い面も多い時期ではないでしょうか。
私自身も衝動買い時期が中々終了せず、積読状態になりつつありますので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んだりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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以前レビューしました「私が大好きな小説家を殺すまで」
でも思いましたが、斜線堂有紀さんは、特殊な人間関係&背景の設定とその展開をとても魅力的に描写される作家さんです。
今回も、「難病に罹ってしまい少しずつ死が近づいてくる少女と、とある学生の短い期間の交流」という状況だけならば、ある程度多くの作家さんが扱ったテーマであり、セオリーやテンプレートのようなものを感じるのですが、そこに、
「その難病で死んでしまった身体は、約三億円の金塊になってしまう」
という特殊な設定を付け加えることで、当事者たちの話だけでなく、様々な人間の思惑が絡んでくるようになります。
現実世界でも当然のことですが、二人の周りの大人たちは良い人ばかりではなく、思惑も様々ですが、当事者同士が悩みながら・衝突しながら辿り着いたのはどんな結末になるのでしょうか。
当事者同士に、本当に愛はあったのか。
そして、それについて、誰からも脅かされない証明は出来るのか。
これは、古今東西の恋愛のテーマであり、普遍的な一つの疑問を扱った作品でもあります。
ぜひ、多くの方に読んで頂きたい作品です。
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