4話 550万円を失ったのに、私はまだ「取り戻せる」と思っていました。
消費者金融でお金を借りる。
今まで一度も考えたことがありませんでした。
すごく怖かったです。
でも、その頃の私は、
「途中でやめたら、人件費を請求します。」
その言葉に縛られていました。
やめるのも怖い。
借りるのも怖い。
何が正しいのか、もう分からなくなっていました。
そして、誰にも言えなかった。
そんな私に、相手は言いました。
「借りられるだけ借りてください。」
「満額借りてください。」
その言葉を聞いたとき、
「こんな大金を借りるなんて、本当に大丈夫なんだろうか。」
それでも、
「ここでやめたら、人件費を請求される。」
その恐怖のほうが大きくて、私は従ってしまいました。
そして、消費者金融から550万円を借りました。
画面に表示された金額を見たとき、
「これで終われる。」
そう思っていました。
でも、その550万円は、
あっという間に0円になりました。
画面を見た瞬間、頭の中が真っ白になりました。「どうしよう……。
失敗している人いないって言ってたのに…
失敗してしまった」
「こんな大金、返せるわけがない。」
パニックでした。
借金だけが残った現実を、受け止めることができませんでした。
生きた心地がしませんでした。
相手は
「失敗は初めてです。
今から緊急会議をするので、このまま待っていてください。」
と。
この後、仕事に行くのですが、
泣きたいのに、泣けない。
とにかく、冷静に。
何事もなかったように普通に。
普通に仕事しなくては。
とパニックながらに仕事に行きました。
するとしばらくして相手から、こんな提案がありました。
「もう一度200万円以上お金を集めてください。
利益の30%を負担してもらえれば、残りはあなたに渡します。あくまで、これはあなたの補填をするものです。」
借金だけは残したくなかった。失った550万円を、どうにか取り戻したかった。
「もう一度やれば、取り戻せるかもしれない。」
と思ってしまいました。
そして私は、その提案を受け入れます。
その決断が、さらに状況を悪化させることになるとは、このときはまだ思ってもいませんでした。
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今日の再生の一歩
あの日の私は、お金が欲しい、ではなく、とにかく失ったものを取り戻したかった。
今日は、その違いを初めて自分の言葉で整理することができました。
