2026年春アニメ評価&レビュー(中盤編その4)
2026年春アニメも中盤を過ぎて後半戦に入り、各作品とも7話から8話まで話数が進んでいます。
これまで3回にわたって、2026年春アニメの中間評価を短評とともにまとめてきました(『中盤編その1』『中盤編その2』『中盤編その3』)。
今回はその締めくくりとして、『中盤編その4』として評価と短評、さらに、視聴を断念した作品を含め春アニメ50作品の中盤評価をまとめています。
また、以下の続編作品については、前期で途中視聴をやめていたり、そもそも視聴していなかったりといった理由から、今期は視聴していません。そのため評価は行っていませんので、ご了承ください。
彼女、お借りします 第5期
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 第2期
異世界のんびり農家2
ダイヤのA actⅡ Second Season
最強の王様、二度目の人生は何をする? Season2
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う 3rd season
転生したらスライムだった件 第4期
北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-
魔入りました!入間くん 第4シリーズ
夜桜さんちの大作戦 第2期
日本三國
【評価:B+ ⇨ A+】
本作については、別に考察を上げたのでこちらをご覧ください。
最新話では、北陸で大和と聖夷が対峙し、ついに「戦」が始まりました。作中の戦いは白兵戦が中心で、まるで戦国時代の戦いであり、戦国の武将たちが明治維新期にタイムスリップしたかのようです。
戦国時代の北陸、とくに加賀や越中は守護だった斯波氏の力が弱く、その代わりに一向宗が強い力を持ち実質的にこの地域を支配していました。農民一揆も多発し、越前では斯波氏の家臣だった朝倉氏が台頭して、実質的な支配権を握っていきます。
作中でも北陸は、大和と聖夷の境界に位置し、双方の勢力が拮抗する不安定な地域として描かれています。本作は複数の時代を重層的に重ね合わせていますが、この場面には、戦国時代と明治初期の空気が強く反映されているように感じます。
北陸を序盤の舞台にしたのは、三国が争う未来のディストピアを示すうえで、この不安定な土地が物語の導入にふさわしかったからではないでしょうか。
上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花
【評価:D ⇨ D】
百合の雰囲気は相変わらず心地よく、ぼたんといぶきの関係性も魅力的です。ただ、最近はこの二人にフォーカスする場面が多く、ほかのキャラクターや日常描写がやや薄くなっているようにも感じます。
ぼたんといぶきの百合物語として見れば十分に楽しめますが、かなでの嫉妬がとても良いアクセントになっているので、もう少しそこに焦点を当てても面白そうです。
また、あかねとやえかの登場シーンが少ない点も少し気になります。さらに、景嵐が留学生という特性を生かして物語に絡んでくれば、作品全体の広がりも増すのではないかと思います。
キルアオ
【評価:B+ ⇨ B】
本作については別に考察を書いているのでまずはそれをご参照下さい。
その考察を書いたのは第4話時点でしたが、現在は第8話まで終了しています。前回はかなり高く評価しましたが、ここにきて少しパワーダウンしてきた印象があります。第4話頃までにあった展開の面白さや、家族・学校・殺し屋家業・ラブコメ・ギャグの絶妙なバランスが、徐々に薄れてきたように感じます。
その大きな要因は、ヒロインである密岡ノレンの存在感が弱くなっていることに原因があると思います。序盤はヒロインとして物語の中心にいました。しかし話数が進むにつれて、ほかのキャラクターとの差があまり感じられません。むしろ家庭科部部長の千里のほうが目立っている印象です。
その影響もあって、ノレンに関わる設定、たとえばラーメン屋や薬の謎もあまり語られなくなり、バトルアクションが前面に出てきています。
もともと主人公が殺し屋設定なので、バトルアクションが中心になるのは自然です。ただ、私としては、前半のバランスがとても良かっただけに、今後の巻き返しを期待したいところです。
春夏秋冬代行者 春の舞
【評価:B+ ⇨ A】
本作のオープニングとエンディングを手掛けているのはOrangestarさんです。私にとっては、約10年ぶりに耳にした懐かしい名です。
Orangestarさんは、2013年頃から活躍していた、いわゆるボカロPの一人です。2014年に投稿された『アスノヨゾラ哨戒班』が大ヒットし、一躍ボカロ界で有名になりました。私自身、この頃が一番ボカロを聴いていた時期で、この曲もお気に入りの一つでした。
そのため、『春夏秋冬代行者 春の舞』のオープニングが流れた瞬間、「ああ、このサウンドは」と一気に懐かしい気持ちになりました。昔と変わらず、透明感があり、心を引き込むような曲を作る方だと改めて感じます。
私は同時期に活躍していたn-bunaさん、現在のヨルシカのファンでもあります。曲調は違いますが、どこか空気に吸い込まれていくような心地よさがあり、両者には共通した魅力を感じていました。Orangestarさんの楽曲は本作との親和性も高く、作品のイメージによく合っていると思います。
もちろん、アニメ本編もとても美しい作品です。季節を擬人化したようなファンタジックな物語でありながら、日本人の根底に流れる季節感や思想を描いているようで、毎回、静かに心を揺さぶられます。最近温暖化の影響から従来の日本の季節感が薄れてきていると感じるので、こういう作品こそ大切にしたいと思っています。
淡島百景
【評価:B+ ⇨ B+】
『淡島百景』は、冬アニメの『違国日記』のように人気が出るのではないかと思っていましたが、今ひとつ伸び悩んでいるようです。
その理由としては、オムニバス形式で特定の主人公がいないこと、4世代にわたって物語が描かれるため時系列がつかみにくいこと、さらに登場人物が多く、本名と芸名が入り混じっていることなどが挙げられると思います。そのため、少し視聴のハードルが高く見えてしまっているのかもしれません。
本作は、華やかな歌劇学校を舞台にしながらも、単純な成功物語ではありません。描かれているのは、憧れ、嫉妬、劣等感、友情、孤独といった複雑な感情です。それらを丁寧に、そして静かにすくい上げているところに、本作の魅力があります。
第6話まではネガティブな感情を描いたエピソードが多かった一方で、第7話以降は少し前向きな話が続いています。全12話という構成の中で、どのエピソードをどこに配置するかは難しいところですが、後半に向けて希望や憧れを描く流れにしているのでしょう。
ただ、前半に嫉妬や羨望、劣等感や後悔を描いたエピソードが続いたことで、結果的に視聴者を振り落としてしまった面はあるように感じます。かなり注目されていた作品だと思いますし、内容としてはもっと評価されてよい作品だと思います。
ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season
【評価:B ⇨ B】
『よう実』を観ていていつも感じるのは、進学校にもかかわらず、なぜこれほど性格の歪んだ生徒が多いのかということです。少なくとも私の知るエリート進学校の生徒は、多くが良識を持っており、問題児と呼べるような生徒はほとんどいません。
ただし、「高度育成高等学校」は単なる進学校ではありません。入学できるのは、事前調査によって「入学に値する」と判断された生徒だけです。つまり、学力が高いだけでなく、何らかの意味で特殊な資質を持つ生徒を意図的に集めているのでしょう。その中には、頭は良くても素行や性格に問題を抱えた生徒も含まれているのだと思います。
本作における「実力」とは、学力や運動能力だけでなく、協調性やコミュニケーション能力、さらには駆け引きや状況判断力まで含めた総合力です。単なる優等生ではなく、学園内のサバイバルを勝ち抜ける者こそが、真のエリートとして選別されているようです。
まとめ
全ての作品の感想を書いたわけではありませんが、とりあえずこれでまとめにしたいと思います。視聴を断念した作品を含め春アニメ50作品の評価を一覧にしました。
評価方法についてはこれまでと同じく、
S:特筆すべき作品
A:特におもしろい作品
B:おもしろい作品
C:普通
D:とりあえず継続視聴
E:視聴を断念
の6段階で評価しました。同じランクでも上位に位置すると評価した作品には「A+」のようにプラスをつけています。
また、本日現在の最新評価であり『中盤編その1』『中盤編その2』『中盤編その3』を発表した時点での評価とは異なるものもあります。初動時点の評価からどう変わったかも【初動⇨中盤】で記しています。◯付数字は『2026年春アニメランキング(6月1日付)』の順位です。
【評価:A+】
【B ⇨ A+】 ⑦ 杖と剣のウィストリア シーズン2
【B+ ⇨ A+】 ④ 日本三國
【A ⇨ A+】 ⑥ 氷の城壁
【A+ ⇨ A+】 ⑤ Dr.STONE SCIENCE FUTURE 第3クール
【評価:A】
【B+ ⇨ A】 ⑮ 春夏秋冬代行者 春の舞
【B+ ⇨ A】 ⑰ 自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。
【A ⇨ A】 ⑪ あかね噺
【A+ ⇨ A】 ③ とんがり帽子のアトリエ
【評価:B+】
【C+ ⇨ B+】 53 左ききのエレン
【C+ ⇨ B+】 ⑨ ドロヘドロ Season2
【B+ ⇨ B+】 ㉔ ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話
【B+ ⇨ B+】 ⑱ オタクに優しいギャルはいない!?
【B+ ⇨ B+】 ㉚ 淡島百景
【B+ ⇨ B+】 ① Re:ゼロから始める異世界生活 4th season
【A ⇨ B+】 ② 黄泉のツガイ
【評価:B】
【C+ ⇨ B】 ㉙ レプリカだって、恋をする。
【B ⇨ B】 ⑩ ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season
【B ⇨ B】 ⑬ マリッジトキシン
【B ⇨ B】 ⑭ 本好きの下剋上 領主の養女
【B ⇨ B】 ㊾ 勇者のクズ
【B+ ⇨ B】 ⑳ キルアオ
【評価:C+】
【D ⇨ C+】 ㉑ ガンバレ!中村くん!!
【C ⇨ C+】 ㉟ 霧尾ファンクラブ
【C+ ⇨ C+】 ㉞ 姫騎士は蛮族(バルバロイ)の嫁
【B ⇨ C+】 ㉝ MAO
【評価:C】
【D ⇨ C】 ㊷ メイドさんは食べるだけ
【C+ ⇨ C】 ㉗ 逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件
【C ⇨ C】 ㊴ 悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。Season2
【評価:D】
【D ⇨ D】 ⑲ 上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花
【D ⇨ D】 ㉛ 神の庭付き楠木邸
【D ⇨ D】 ㊶ クジマ歌えば家ほろろ
【C+ ⇨ D】 ㊹ スノウボールアース
【評価:E】
【D ⇨ E】 ㊲ 黒猫と魔女の教室
【D ⇨ E】 54 ただいま、おじゃまされます!
【D ⇨ E】 57 リィンカーネーションの花弁
【D ⇨ E】 ㊱ LIAR GAME
【D ⇨ E】 50 一畳間まんきつ暮らし!
【C ⇨ E】 ㊸ NEEDY GIRL OVERDOSE
【E】 ⑫ クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった
【E】 ㊺ 灰原くんの強くて青春ニューゲーム
【E】 51 魔法の姉妹ルルットリリィ
【E】 59 神の雫
【E】 ㉖ カナン様はあくまでチョロい
【E】 ㊳ よわよわ先生
【E】 ㊵ ニワトリ・ファイター
【E】 ㉒ 愛してるゲームを終わらせたい
【E】 58 最強の職業は勇者でも賢者でもなく鑑定士(仮)らしいですよ?
【E】 56 また殺されてしまったのですね、探偵様
【E】 60 ゴーストコンサート : missing Songs
【E】 55 女神「異世界転生何になりたいですか」 俺「勇者の肋骨で」
以上、『2026年春アニメ評価&レビュー(中盤編)』でした。次回は『2026年春アニメ評価&レビュー(最終版)』としてお届けします。それでは、また。
