おかしいな みんなあつさの せいにする
あついですね。
とりあえず、十七字。
おかしいな みんなあつさの せいにする
この十七字を何通りかに解釈し、それにコメントを加えてみるというお遊びをしてみます。
画面に現れた画素のかたまりである文字でしかないフレーズの身振りをめぐっての、多義性=多層性=豊かさ=厚み=あつさ=テキトーさ=あつくるしさを、まのあたりにすることにより、「ああ、あつい」と、みなさんに体感していただきたいのです。
なお、ここで言う身振りについては、先日投稿した記事「お日さまと太陽」に書きましたので、その部分だけを以下に引用します。
・言葉と文字の身振り:
身振り、動き
表情
人をどう動かしているか・人にどのように働きかけているか
ありよう
うつろい、浮遊、不定、多様
字面、顔、かたち
語感、語呂、響き
日常、生活
個々人による実況中継
生き物
常時更新
ネット上の文章と相性がいい
(拙文「お日さまと太陽」より)
という、なんのこっちゃな暑苦しい話は忘れて、暑気払いに以下の駄文でもお読みくださいませ。では、まいります。
いまは暑くて文字を読む気になれない方は、とりあえず以下の目次から、どうぞ。
◆
おかしいな みんなあつさの せいにする
解釈(1):「笑っちゃいそうだよ。皆が何でもかんでも暑さのせいにしている」
そうですね。何だか、ヤケクソ気味になって、笑えてきませんか。こう暑いと、誰もが、何か不都合や不具合や失敗や事故や事件があるたびに、「暑いからだ」なんて条件反射的に口にしてしまいます。でも、実際、言えていませんか? 暑さがリミットを超えると、仕事にしろ、勉強にしろ、遊ぶにしろ、ぼけーっとするにしろ、やる気が失せるし、体調に気を配らないと
*重篤な=篤(あつ)い熱中症
に見舞われる恐れがあります。「暑さ」で「熱く」なり、「篤く」ならないように。
真面目な話、この暑さで熱を出し、重篤な状態にならないように、くれぐれも気をつけましょう。
波高し 日本列島 唐辛子
◆
おかしいな みんなあつさの せいにする
解釈(2):「何だか変な気がするなあ。皆が何でもかんでも暑さのせいにしている」
今度は、「おかしい」を滑稽だという意味ではなく、「変だ」と取っています。また、解釈(1)と同じく、「みんな」を「皆」と「何でもかんでも」の二重の意味に解しています。
暑いから、ろくなことがないのだ。ええい、面倒くさい。景気が悪いのも、お米の値段が高いのも、政局がめちゃくちゃなのも、法外な関税を課されるのも、そして、世界中で真偽、本物と偽物、オリジナルとコピー、本店の味と支店の味、いい人と悪い人、イイ子とワルイ子、ほんまもんの〇〇と人工とか仮想とか仮装の〇〇、真実と別の真実、人が書いた文字(および文章)と機械が書いた文字(および文章)、人間化した機械と機械化した人間、真理と別の真理、事実と別の事実、虚実、正誤、善悪、正統と異端、正義と悪、正義と別の正義、狂気と正気、感情と理性、マカロニとマ力口二、といった区別が不明になっているのも、このところ便秘気味なのも、さっき階段でけつまずきそうになったのも、ぜんぶ暑さのせいにしてしまえー。そう言いたくなる気持ちは、よくわかりますよね。
(※「マカロニとマ力口二」という文字列を目にしてキョトンとなさっている方は、拙文「人と同じ」をご笑覧ください。)
とはいうものの、
*変じゃありませんか?
とくに、この数年間の異常な暑さですが、しょせん自然現象だよと済まして、「澄まして=すっとぼけて」いられるでしょうか。
*地球温暖化だって?
勘弁してよー、このくそ暑いのに。熱くなるのはやめようよ。でも、ちょっと心配だな。がんがんエアコンを効かせた(=二酸化炭素を多量に排出する)部屋でなら考えられそう……。そんな気持ち、正直申しまして、分からないでもないです。設定温度を下げるくらいしか対策ができていません。反省。
狂った自然(nature)は、狂った人情(human nature)のせいかもしれません。人類は不自然であり反自然なのではないでしょうか。ヒトはいろんな意味で「あつい」のです。
ちなみに、私はジャック・ラカンを「ヒトは反自然とか不自然という意味で狂っているし、生物として途方もなくずれている」という意味のことを言っていたヒトだと理解しています。ラカンを思うたびに The Crazy Ape という書名(アルバート・セント・ジェルジ著「狂ったサル - 人類は自滅の危機に立っている」國弘正雄訳・サイマル出版界)を連想するくらいです。
(拙文「人は存在しないもので動く」より)
◆
おかしいな みんなあつさの せいにする
解釈(3):「絶対、変だよ。皆が何でも暑さのせいにしているけど、こうなったのは、ひょっとして人間の面の皮が厚いからじゃないのかなあ」
なるほど。暑いのに、よくそこまで
*熱く篤く考える
ことができますね。ヒトの厚顔さ、つまり、ヒトの
*面の皮が厚い
ことにまで考えがおよぶなんて、宗教心が篤い方なのでしょうか。確かに、この惑星の地という地を我が物だと「心得ている=心得違いをしている」ヒトは、
*「厚かましい=鉄面皮な」生き物
だと思います。ヒトという種(しゅ)(crazy ape)の
*「人」情の篤さ=厚さ
に期待することは無理なのでしょうか。
◆
おかしいな みんなあつさの せいにする
解釈(4):「変だよ。皆が私のことを熱すぎるって、非難するんだもの」
ほうー、そういう解釈もあるんですね。
*熱いヒトとか熱血漢
は確かに、世の中にたくさんいます。ヒトという種(おかしくなった尻尾のないおサル)は、いろいろなものに熱くなります。
*熱中症や熱射病ではなく、「熱中病(熱中するやまい)」
とでも言うのでしょうか。
◆
おかしいな みんなあつさの せいにする
解釈(5):「変だわ。私のお化粧ってそんなに濃いかしら。香水も強すぎるかしら。彼氏(or 彼女)ができないのは、そのせいだなんて絶対に変!」
あらまあ! そうですかー、
*厚化粧
と解釈なさったわけですね。実にユニークな状況ですね。いや、そうでもなさそうです。よくありがちかも。でも、ご本人だけが意識なさっていない。そんな状況がまわりに散見されることを思い出しました。
◆
おかしいな みんなあつさの せいにする
解釈(6):「お菓子否(おかしいな)=お菓子いらない、みんな、わたしのお腹の皮の厚さのせいにするんだもん。だから「あんた or おまえ」はもてないんだよ、とか言って」
いやー、参りました。
*いな=否
ですか。確かに、そうも読めますよね。参りました。降参です。
で、この解釈へのコメントですが、
*ダイエットをして、減量しましょう。
これくらいしか、コメントできません。ごめんなさい。
◆
解釈とコメントは、以上です。もちろん、もっといろいろな解釈が可能ですが、やっぱり、
*暑いので、
これくらいにしておきます。
というわけで、
おかしいな みんなあつさの せいにする
というより、
やっぱりね みんなあつさの せいだわい
と言えるみたいな気がします。きょうの記事をお読みになり、五七五の十七字の中に詰まっている、
*「あつさ・暑さ・厚さ・熱さ・篤さ」という言葉の、多義性=多層性=豊かさ=厚み=あつさ=テキトーさ=あつくるしさ=うっとうしさ=うざさ
を体感していただけたとすれば、それに勝る喜びはありません。
もうろうと 水面にゆれる かわやなぎ
まとめ
あついですね。めちゃくちゃ、あつい。半端じゃなく、あつい。
景気が悪いのも、お米の値段が高いのも、政局がめちゃくちゃなのも、法外な関税を課されるのも、そして、世界中で真偽、本物と偽物、オリジナルとコピー、本店の味と支店の味、いい人と悪い人、イイ子とワルイ子、ほんまもんの〇〇と人工とか仮想とか仮装の〇〇、真実と別の真実、人が書いた文字(および文章)と機械が書いた文字(および文章)、人間化した機械と機械化した人間、真理と別の真理、事実と別の事実、虚実、正誤、善悪、正統と異端、正義と悪、正義と別の正義、狂気と正気、感情と理性、といった区別が不明になっているのも、このところ便秘気味なのも、さっき階段でけつまずきそうになったのも、みんなあつさのせいかもしれない。そう言いたくなる、このごろ。
*
「あつい」という言葉と文字の「あつさ」と「あつみ」を、かんじわける、つまり漢字分けることで感じ分けることができます。
暑い、熱い、厚い、篤い――。
*
・暑い:地球温暖化
・熱い:夢と熱に浮かされた人類の熱中を通り越した熱狂と狂気
・厚い:厚情なき面の皮の厚さ・厚かましさ・厚顔
・篤い:篤信や篤心の名のもとにくり返されている欺瞞と残虐行為・瀆神
という感じでしょうか。
以上をひっくるめて言うと、「あつい」のです。
*
本記事は、かつて投稿した文章に加筆したものです。この猛暑で、頭がぼーっとして新しい記事が書けないのです。と、あつさのせいにする。
