【50代でのバンド再始動】レインボー「I Surrender」に隠されたギターソロの謎に挑む
ボーカルから「『I surrender』の音域がきつくて喉が休まらないから、ギターソロを長めにしてほしい」というリクエスト。
そもそもこの曲は、曲の真ん中に定番のソロがある構成ではなく、アウトロに向かってギターソロが展開していく形です。しかも本家の音源を聴けば分かる通り、そのソロの裏でもボーカルがフェイクを入れまくって叫んでいます。
「…いや、そこを叫ばずに休めばいいのでは?」
一瞬そう思いましたが、わざわざ「ソロを長くして」とリクエストしてくるということは、きっと「そこはあえて叫び倒したいから、その後にしっかり休めるソロパートを後ろに伸ばしてくれ」という意味なのだろうと解釈しました。
キー変更と耳コピの壁
本家レインボーのライブ版をいくつか聴くと、実際にアウトロのソロがかなり長くなっています。しかし、大きな問題がひとつ。ライブ版は原曲キーと違うのです。
つまり、本家でさえ「原曲はキーが高すぎる」ということでライブでは下げているわけです。ただ、いまさらバンド内でキー変更をするのも面倒ですし、ライブ版はキーが違うのでそのまま耳コピができません。もちろん、そのキーで音を拾ってからレギュラーチューニング用にズラせばいいのですが、これがまあまあ面倒くさい作業になります。
しかも、この曲のギターソロは、切なくメロディアスなコード進行の上を、思わず口ずさめるような美しいメロディが流れるところが最大の売りです。
適当に弾いて雰囲気を壊すわけにはいきません。
今回はスタジオ練習に新曲が2曲も追加されるため、時間的にもそこまで作り込むのは厳しいという現実もありました。そこでまずは「現状の構成がどうなっているか」を解析し、どれくらい伸ばせば不自然じゃないかを考えることにしました。
解析して分かった「36小節」の正体
実は『I surrender』のソロは、これまで何も考えずに耳コピしていたときは気づかなかったのですが、「1ターンがどこで区切られているのか、なんとなく分かりづらいな」と感じていました。
今回、腰を据えてしっかり解析してみたところ、驚きの事実が分かりました。
なんと、「1ターン=6小節」という変則的な構成で、それを6回繰り返しているのです。
4拍子の楽曲では「4小節」や「8小節」で1区切りになるのが一般的ですが、この曲は「6小節×6回」。掛け算すると合計36小節になります。36は4の倍数なので、全体として聴いたときになんとなく綺麗に収まっている感じがカモフラージュされていたわけです。リッチー・ブラックモアの楽曲構成の妙に、改めて唸らされました。
今回の着地点と、これからの課題
36小節のギターソロといえば、それだけでも十分に長いです。しかし、ボーカルを休ませるためにさらに伸ばすとなると、これと同じくらいのサイズ(もう1セットなど)を足せば、構成としての違和感は出ないはずです。
ひとまず次回のスタジオに向けては、スケール(音階)を頭に叩き込み、音を外さない程度にアドリブで対応できるよう準備を整えました。とはいえ、この曲の持つドラマチックな世界観を崩さないためには、ゆくゆくはアドリブ任せにせず、きっちりとメロディを構築してソロを組み立てる必要があると感じています。
最後に
今回の一件で、「なんとなく感覚で弾くこと」と「ちゃんと小節を数えて構造を解析すること」では、見えてくる景色が全く違うのだと痛感しました。
ただコピーするだけでなく、曲の構造や意図まで掘り下げていく。ギターという楽器、そして音楽は、本当に奥が深いです。
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