墓じまいで揉める人と、揉めない人。分かれ道は「切り出す前」にあった!?
こんにちは。「令和の墓じまい」編集部です。
墓じまいの記事を書いていると、たくさんの経験者の声に触れます。費用のこと、手続きのこと、お寺とのやり取り。
──その中で、私たちがいちばん意外に感じたことがあります。
墓じまいで揉めるかどうかの分かれ道は、「言い方」よりもずっと手前。
"切り出す前"の準備段階で、もう決まっていることが多いのです。
今日は、墓じまいを終えた方々の声を整理する中で見えてきた、「揉めない人が、切り出す前にやっていたこと」を、2つだけお話しします。
※この記事は、経験者へのアンケートをもとに、編集部の視点でまとめたものです。ご紹介する内容は「うまくいった傾向」であり、すべての方に当てはまることを保証するものではありません。
正直に言うと、私も「言葉選び」の話だと思っていた
最初、私はこう考えていました。
「墓じまいで揉めるのは、親族やお寺への"言い方"を間違えるからだろう」と。
だから、経験者の声を集めはじめたときも、
✅どんな言葉が効いたか
✅どう説明したら納得してもらえたか
──そういう"セリフ"の部分に、いちばん注目していました。
でも、たくさんの声を読み進めるうちに、気づいたのです。
うまくいった人と、
揉めてしまった人の差は、
"言葉"の前にあった。
具体的なセリフが上手かどうか以前に、「話を切り出す"前"に、何を準備していたか」で、その後の展開がほとんど決まっていたのです。
これは、私たちにとって、けっこう大きな発見でした。今日はその中でも、特に効いていた2つを共有します。
鉄則①:急がないこと。「もう決めた」から入らない
いちばん多くの経験者が、口を揃えて言っていたこと。それは──
$${\large「急いではいけない」}$$
でした。
ある方は、こう振り返っています。
「親族との話し合いは、決して急いではダメです。変な風に逆恨みされる場合があるので、十分な配慮が必要です」
別の方は、こうです。
「親戚と関係が悪くなる可能性があるので、じっくりと冷静に話し合う時間を持つことが、とても大切だと思います」
これを読んで、私たちはハッとしました。
墓じまいを考えている人は、たいてい、自分の中ではもう答えが出ています。
何ヶ月も、ときには何年も悩んで、「よし、やろう」と決めている。
だから、つい「もう決めたから」という前提で、親族に切り出してしまう。
でも──相手にとっては、その話は"今日はじめて聞く話"なんです。
こちらは長い時間をかけて心の準備をしてきた。でも、相手にとっては突然の通告。この"時間差"こそが、反発を生む最大の原因でした。
★$${\large揉めない人がやっていたこと}$$★
うまく進めた人は、「決定」ではなく「相談」として持ちかけていました。
❌「墓じまいをすることにした。ついては〜」ではなく、
⭕「お墓のこと、そろそろ考えたいんだけど、相談にのってくれない?」
同じ話でも、入り口がまるで違います。前者は"通告"で、相手に反発の余地しか残しません。後者は"相談"で、相手を仲間の側に置きます。
そして、時間をかけること自体が、最大のトラブル回避策でした。
✔️一度で決めようとしない
✔️何回かに分けて話す
✔️相手が考える時間をつくる
それだけで、着地はずいぶん変わるようです。
鉄則②:責めないこと。そして「1対1」を避けること
2つ目は、話し合いの"場のつくり方"です。
墓じまいに反対する親族がいると、どうしても「あなたは普段、お墓の管理もしていないのに」と言いたくなります。
実際に管理をしてきた人ほど、この気持ちは強いはずです。
でも、経験者は、ここに明確な注意を残していました。
「説得するときには、あまり相手を責めないようにすることをおすすめします」
相手を責めた瞬間、話の争点が「墓じまいの是非」から「あなたの態度への反発」にすり替わってしまう。
こうなると、もう墓の話ではなくなってしまうんですね。
そして、もう一つ。とても実践的な知恵がありました。
「納得してくれない方がいた場合は、一緒に説明してくれる親戚を頼りにして、できる限り1対1ではない形で話し合いをしたほうがよいです」
これは、なるほどと思いました。
1対1だと、どうしても感情のぶつかり合いになりやすい。
でも、「墓じまいに理解のある親族」に一人でも味方についてもらうと、話し合いの空気がまるで変わる。
当事者ではない第三者がいるだけで、お互い冷静になれるのです。
つまり、「準備」とは段取りのこと
鉄則①と②をまとめると、こういうことです。
墓じまいの切り出しは、言葉のセンスの問題ではなく、"段取り"の問題でした。
急がず、相談の形で、複数回に分けて話す
責めず、味方を一人つけて、1対1を避ける
この段取りさえ整えておけば、多少言葉がつたなくても、話はちゃんと前に進む。
逆に、どんなに言葉を選んでも、この段取りを飛ばして"通告"してしまうと、こじれやすい。
分かれ道は、やっぱり「切り出す前」にあったのです。
残りの「5つの鉄則」と、実際にかけた"言葉"について
今日ご紹介したのは、経験者の声から見えてきた「7つの鉄則」のうちの、2つです。
残りの5つには、こんなものがあります。
遺骨の「行き先」を、切り出す前に決めておくこと(実はこれが説得材料になる)
離檀料に「支払い義務はない」という知識と、その"使いどころ"
お金の話を、後回しにしないこと
反対が多いときは、無理強いをしないこと
そもそも「墓じまいをしない」という選択肢もあること
そして──ここまで読んでくださった方は、きっとこう思ったはずです。
「準備の大切さは分かった。
でも、実際の"その場"では、何て言えばいいの?」
そうですよね。
段取りを整えても、いざ本番で反対されたとき、とっさに返す"言葉"がなければ、やっぱり固まってしまう。
そこで私たちは、墓じまいを経験した86人が、実際にかけた"生きた言葉"を、相手別・場面別にまとめました。
「先祖を粗末にする気か」と言われたとき、どう返したか
お寺の住職への、穏やかに受け入れられた"第一声"
「金は出さない」と言う親族への、賢い向き合い方
そのまま使える「切り返しフレーズ早見表」
残りの5つの鉄則も、実際のセリフも、すべてこちらにまとめてあります。
人生に一度きりの本番に、そっと使える"予行演習"として。
さいごに
墓じまいは、重いテーマです。
でも、「何から準備すればいいか」が分かるだけで、心はずいぶん軽くなります。
今日の2つ──急がないこと、責めないこと。これだけでも、頭の片隅に置いておいてもらえたら嬉しいです。
あなたの墓じまいが、あなたとご家族にとって、納得のいくものになりますように。
「令和の墓じまい」では、墓じまい・改葬・永代供養について、生活者目線と実務目線の両方から、情報をお届けしています。
