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手紙は、言葉だけじゃない。今も大切にしまっている理由

家のどこかに、
大切にしまってある手紙はありませんか。

もう何年も開いていないけれど、捨てられない一通。

読み返す機会はなくても、なぜか手放せないもの。

今はLINEやメールがある。

「ありがとう」も、
「おめでとう」も、
「大丈夫?」も、
すぐに届く。

本当に便利な時代になった。

それでも僕は、
手紙だからこそ伝えられるものがあると思う。

僕にも、ずっと大切にしまってあるものがある。


小さいころにもらった、大切な一冊

小さいころ、僕は入院する機会が多かった。

そんな時、
保育園の友達がクラスみんなで絵やメッセージを書いてくれた。

色とりどりの画用紙を、
本のように綴じてくれた一冊だった。

母が病院まで持ってきてくれて、
今でも大切にしまってある。

手に取るたびに、一人ひとりの顔や、
あの頃のことが自然と思い浮かぶ。

あの頃の僕にとって、
あの一冊は間違いなく支えだった。

病院で過ごす時間は、
不安と寂しさでいっぱいだった。

夜、心細くなるたびに、その一冊を何度も開いた。

みんなが書いてくれた言葉や絵を見るたびに、
「一人じゃない」と思えた。

「待ってくれている人がいる」

「応援してくれている人がいる」

そのことが、何より心強かった。

画用紙を本のように綴じた、その一冊には、

絵やメッセージだけじゃなく、
みんなの気持ちまで詰まっていた気がする。


手紙だから伝えられるもの

大人になってからも、
手紙は何度も僕の心に残っている。

妻からもらったいくつもの手紙。

そして、自分が妻や親に書いた手紙。

口では言えないことも、手紙なら伝えられる。

不思議だけど、本当にそう思う。

相手のことを思いながらペンを走らせる。

どんな言葉なら伝わるだろう。

今、一番届けたい言葉は何だろう。

そんなことを考えながら、一文字ずつ書く。

その時間も含めて、手紙なんだと思う。

手紙も相手の表情は見えない。

それなのに、
字を見ていると、
その人が書いている時の表情や想いを想像できる。

どれだけの想いを込めて書いてくれたんだろう。

たった一言だったとしても、
「今、この言葉を届けたい」と思いながら、
何度も言葉を選んでくれたんだろう。

なぜだか手紙だと、そこまで想像できる。

紙だからなのか。

手書きだからなのか。

時間をかけてくれたからなのか。

きっと、その全部なんだと思う。

だから、手紙からは言葉以上の温もりを感じる。


手紙が残してくれるもの

だから落ち込んだ時や、
ふと昔の自分を思い出した時、
手紙を読み返すことがある。

そのたびに、あの頃の景色や空気、
その人との時間までよみがえる。

「あの時、こんなことがあったな。」

「あの人は、こんな気持ちで書いてくれたのかな。」

そんなことまで思い出す。

手紙には、文字だけじゃなく、
その時の時間まで残っている気がする。

便利な世の中になって、想いを伝える方法は増えた。

それでも、
大事なものはいつになっても変わらないのかもしれない。

人が人を想うこと。

誰かのために時間を使うこと。

言葉を選ぶこと。

その温もりは、何年経っても色あせない。

だから僕は、今でもあの一冊と、
大切な人たちからもらった手紙を大切にしまっている。

手紙は、言葉を届けるものだと思っていた。

でも今は少し違う。

手紙が届けてくれるのは、言葉だけじゃない。

その人の温もり。

自分のために時間を使ってくれたこと。

そして、
「あなたのことを大切に思っているよ」という、
目には見えない想い。

そういうものまで、一緒に届けてくれる。

この記事を書きながら、
久しぶりにあの一冊のことを思い出した。

もし、
あなたの家にも大切にしまってある手紙があるなら。

いつか、ふとした日に開いてみるのもいいのかもしれない。

そこには文字だけじゃなく、
あの頃の景色や時間、そして誰かがあなたを想ってくれた温もりまで、
一緒に残っていると思うから。

麗川れいかわアキ

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