東京少年探偵団(TD7) 古書街の奇譚・前編
東京少年探偵団(TD7) 古書街の奇譚
初夏の陽光が神田の古書店街を照らし、古びた書物のインクの匂いが微かに漂う昼下がり。今日も多くの人々が、知識の宝庫を求めて行き交っていた。しかし、この平和な光景の裏側で、奇妙な出来事が静かに進行していた。
「これは一体……?」
老舗古書店『文華堂』の店主、山崎源太郎は、店の奥深くで埃を被っていた古い木箱を開けて、目を疑った。中に入っていたのは、見慣れない装丁の古書。表紙には奇妙な紋様が刻まれ、紙質も異様だった。何よりも不気味だったのは、その本を開いた途端、山崎の頭の中に直接、囁くような声が聞こえたことだった。
「汝に、古の呪いを解き放つ鍵を与えよう――」
その日以来、神田の古書店街では不可解な出来事が頻発するようになった。店から貴重な古書が忽然と消えたり、客が奇妙な幻覚を見たり……。警察も捜査に乗り出したものの、手がかりすら掴めずにいた。
そんな中、この街の異変にいち早く気づいたのは、不在の団長・明智光輝と副団長・橘花蓮を除いた、東京少年探偵団――通称TD7のメンバーたちだった。
「古書街で奇妙な事件が多発しているらしい」
チームの頭脳である小林ヒデは、ネット上の情報と警察の公開情報をキャッチし、眉をひそめた。彼の傍らでは、怪しげなガジェットを弄る発明少女・田中トモが、「ふむふむ、これは電磁波の異常反応が出てるね!」と興奮気味に声を上げた。
「よし、俺たちは現場へ向かうぞ!」
行動力No.1の佐藤力也が率先して立ち上がった。彼の言葉に、ステルスのプロ・山本リョウと、写真と映像で証拠を捉える伊藤ミクが静かに頷く。言葉のスペシャリスト・渡辺ケンは、「まずは古書店主から話を聞くのが筋でしょう」と冷静に提案した。
こうして、TD7の残されたメンバーたちは、それぞれの能力を駆使して、古書街に潜む謎に立ち向かうことになった。果たして彼らは、明智と花蓮不在の中、この奇妙な事件の真相を解き明かすことができるのだろうか――。ネオ東京の片隅で、少年たちの知恵と勇気が試される、新たな事件の幕が上がった。
後編へ続く
