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「とりあえず測る」はもう卒業!心リハで必須の身体機能評価・カットオフ値まとめ(握力・SPPB・6MWT)

こんにちは、ゆ~きです。

患者さんのリハビリを始める前、ルーチンで「身体機能評価」を行っていると思います。 でも、こんな風に感じたことはありませんか?

「とりあえず歩行速度と握力だけ測っている」
「測った数値をカルテに書いて満足している」
「どの検査を優先すべきか迷う…」

忙しい臨床の中だと、どうしても『ただ測るだけの作業』になりがちですよね。

しかし、心リハにおける評価は、
👉 患者さんの社会復帰や寿命(予後)を予測する「超重要」なデータです。

今回は、心リハで絶対に押さえておくべき『標準的な身体機能評価』について、 「これ以下だと危ない!」というカットオフ値(基準値)とセットで解説します!




1.痩せている方が危険?「Obesity Paradox」

まずは基礎となる身長・体重・骨格筋量などの評価です。

ここで、心不全患者さん特有の重要なポイントがあります。

💡 ゆ~きの一口メモ:Obesity Paradox(肥満のパラドックス)

一般的に肥満は健康リスクとされますが、心不全患者さんにおいては、「痩せている人よりも、軽度肥満(ぽっちゃり)の方が予後が良い」 という現象が報告されています。

逆に言えば、「痩せ(低体重・筋量減少)」は強力な予後不良因子となります。 意図しない体重減少(悪液質など)には特に注意が必要です。


2.予後を映す鏡「サルコペニア評価」

筋力は「予後」を映す鏡です。以下の2つは必ず測定しましょう。

① 握力(全身の筋力の指標)
心不全患者において、握力低下は心イベントリスクを「約4倍」に増大させます。

🚨 サルコペニア診断基準(AWGS 2019)

  • 👨 男性: 28kg 未満

  • 👩 女性: 18kg 未満 👉 これ以下の場合は「筋力低下あり」と判断します。

② 等尺性膝伸展筋力(HHDでの測定) 歩行能力や「日常生活自立レベル(4METs)」獲得のために重要です。

🎯 目標値

  • 体重比 50%(0.50 kgf/kg)以上(※高齢心疾患患者の場合)


3.寝たきりを防ぐ「転倒リスク評価」

心不全患者さんの転倒骨折は、一気に寝たきりリスクを高めるため、早期発見がカギです。

① SPPB(Short Physical Performance Battery) 「バランス」「歩行」「立ち上がり」の3つを組み合わせた、世界的に使用される評価です。

🚨 カットオフ値

  • 8点以下(12点満点中) 👉 サルコペニアやフレイルの可能性が高いと判断されます。

② TUG(Timed Up and Go test)
「座る→立つ→3m歩く→ターン→戻って座る」時間を測ります。

🚨 カットオフ値

  • 13.5秒以上(地域在住高齢者の場合、転倒リスク高)

③ 片脚立位検査(静的バランス) 🎯 基準目安

  • 屋内歩行の自立:5秒以上

  • 靴下の着脱動作:20秒以上


4.体力を数値化する「運動耐容能」

① 6分間歩行試験(6MWT)
「6分間でどれだけ歩けるか」を測定し、Peak VO2と高い相関があります。

🚨 予後不良のサイン

  • 300m未満

⚠️ 実施時の絶対ルール
1分ごとに「あと〇分です」と残り時間を伝えるだけに留め、「頑張れ!」などの励ましは行わないのが世界的なルールです。


5.まとめ

身体機能評価は、単にデータを集めることが目的ではありません。

  • 握力が低い 👉 「栄養指導(タンパク質摂取)も必要かな?」

  • TUGが遅い 👉 「退院前に自宅の環境調整(手すり等)がいるな」

このように、具体的な支援につなげるためのツール(羅針盤)です。

ぜひ、今回紹介したカットオフ値をカルテ用ボードの隅にでもメモしておき、日々の評価を「予後予測」に活かしていきましょう!


👉 詳しい「測定プロトコール」はブログへ

「握力のジャマー型とスメドレー型の違いは?」 「膝伸展筋力を測る時の代償動作の防ぎ方は?」

そんな方のために、ブログでは各検査の正しい測定方法(姿勢や角度)について、イラスト付きで詳しく解説しています。

測定方法(プロトコール)がズレるとデータが比較できなくなるため、必ず一度は確認しておいてください!

▼【保存版】心臓リハビリの標準的な身体機能評価マニュアル|カットオフ値と実践法 https://rehaheartlab.com/physical_assessment/

(より精密な体力評価「CPX」についてはこちら)
▼CPXの主要指標の解釈と実践 https://rehaheartlab.com/heartreha_cpx/

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