日本語を教える前に、日本語を学び直す|“使える日本語”から、“伝わる日本語”へ|日本語講師を目指す途中で感じた、言葉の奥深さ。
「日本語を学ぶ」と聞くと、多くの人は「外国人が勉強するもの」と思うかもしれません。
でも最近、私は――日本人こそ、日本語を学び直す必要があるのではと感じています。
当たり前の言葉に、ちゃんと向き合う
私たちは生まれたときから日本語を使っています。
でも、“正しく”よりも、“なんとなく”で使っている言葉がどれほど多いか。
敬語に迷ったり、言葉が出てこなかったり、
SNSでは感情が先に走ってしまったり。
そんな瞬間に気づくのです。
「話せる」と「伝わる」は、まったく別の力なんだと。
日本語を学び直すということは、無意識に使っていた言葉を、もう一度「意識の中」に取り戻すこと。
それは、日常を少しだけ丁寧に生きる練習でもあります。
言葉は、思考の鏡
誰かに何かを説明しようとしたとき、自分の中の“あいまいな部分”が浮かび上がってきます。
「努力」「優しさ」「自由」――
同じ言葉でも、人によって感じ方が違う。
つまり、言葉を整えることは、自分の考えを整えること。
日本語を学ぶというのは、単に文法を覚えることではなく、“自分を言葉で理解する”という作業なのかもしれません。
伝える力は、聞く力でもある
日本語を見つめ直すと、
相手の言葉の奥にある気持ちにも、敏感になっていきます。
言葉を大切にする人は、
相手の話し方や沈黙にもやさしくなれる。
「言葉を学ぶ」ことは、
人との距離をやわらかくすることでもあるのです。
“自分の言葉”で生きるということ
AIもSNSも発達して、言葉があふれる時代。
でも、どれくらいの人が“自分の言葉”で話しているだろう。
日本語を学び直すことは、正しい日本語を話すためではなく、自分の考えを自分の言葉で語る力を取り戻すこと。
それは、どんな職業にも、どんな人生にも通じる力です。
最後に
「日本語を学ぶ」ことは、単に“外国語教育の話”ではありません。
それは、自分を見つめ直すことであり、人と向き合う力を育てることです。
だから私は、日本語を“教える”前に、もう一度、自分の日本語を“学び直している”のだと思います。
ちなみに
以前は「日本語くらい、簡単だ」と思っていました。
――でも今は、「それが一番難しい」と笑っています。
