🐍「うなぎが食べられなくなる日」国際ルールの波が日本の食卓に迫る
■ 夏の風物詩、うなぎに異変?
「土用の丑の日」といえば、うなぎ。
しかし今、この“国民的ごちそう”に、静かに国際ルールの波が迫っています。
実は、私たちが口にするうなぎの値段や量を大きく左右する可能性のある動きが、
ワシントン条約(CITES) の中で進んでいるのです。
■ EUが提案うなぎ全種を規制対象に
ワシントン条約とは、絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引を規制する国際条約。
これに対してEUが、
「日本うなぎを含むすべてのうなぎの種を取引規制の対象に加えるべき」
と提案しました。
これを受けたワシントン条約の事務局は、今月、
EU案を「採択を勧告する」と公表。
この提案が正式に採決されるのは、11月からの締約国会議です。
つまり、決定の瞬間はもう目前です。
■ 規制が通るとどうなる?
EUが求めているのは、付属書Ⅱへの指定。
これは「国際取引は許されるが、輸出国政府の許可証が必要」というもの。
日本のうなぎ産業は、実は稚魚(シラスウナギ)の多くを輸入に依存しています。
つまり、輸出国(中国など)が「許可しない」と言えば、日本の養殖業は成り立たない。
結果的に
稚魚の確保が難しくなり、
養殖業が打撃を受け、
スーパーのかば焼きも値上がり。
「梅でも1枚になるかもしれない」
そんな声も出ています。
■ EUの言い分:「密輸・闇取引が横行している」
EUが強硬なのは理由があります。
ヨーロッパうなぎはすでに取引禁止ですが、
その代わりにアジア産(日本うなぎなど)の密輸やすり替えが急増しているというのです。
さらに、うなぎの稚魚は外見で種を見分けるのが難しい。
「結局、全部規制するしかない」というのがEUと事務局の判断です。
■ 日本の主張:「科学的根拠がない」
これに反発しているのが日本。
水産庁は次のように反論しています。
「日本うなぎの採捕量は厳しく管理しており、
絶滅の危険性が高まっているという科学的根拠はない。」
日本は、中国・韓国・台湾と連携し、
今回の採決を“骨抜き”にしようという動きを見せています。
■ ただし、国内でも意見が割れる
実は日本の中でも立場が分かれています。
水産庁:「資源量は安定、問題なし」
環境省:「生息環境の悪化で危機的。絶滅危惧種に指定(2013年)」
環境省によれば、マリアナ諸島沖の産卵地から日本の河川に至るまで、
ダムや護岸などの人工構造物が自然の回遊を妨げているとのこと。
一方で、うなぎの生態はまだ完全には解明されておらず、
「資源が増えているのか減っているのか、はっきりしない」というのが実情です。
■ 国際社会の視線は厳しい
国際社会の中では、日本の漁業に対して
「IUU漁業(違法・未報告・無規制)」との批判もあります。
特に、中国からの稚魚輸入には、
「合法証明が不十分なものが混ざっている」と指摘されています。
こうした“不信感”が、規制強化の追い風になっているのです。
■ 少数派の日本、どう戦う?
日本は中国・韓国・台湾と共に反対姿勢を取っていますが、
EUは一枚岩で、事務局も支持。
国際的には少数派に立たされているのが現実です。
■ 結論:「食べられなくなる」より「高級化」へ
うなぎが完全に消えるわけではありません。
しかし、輸入・養殖・加工のコスト上昇で、
“高級食材化”は避けられない見通しです。
11月のワシントン条約会議
この一票が、日本の「うなぎ文化」の行方を決めるかもしれません。
🗝️まとめ
EUが日本うなぎを含む全種を規制対象に提案
11月に採決予定、可決なら輸入・養殖に大打撃
日本は「科学的根拠なし」と反論
国内でも水産庁と環境省で意見が割れる
価格高騰・希少化の可能性大
🐟最後にひとこと
うなぎの未来は、今、国際会議のテーブルの上にあります。
「土用の丑の日」が、遠い贅沢にならないことを願うばかりです。
