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相続登記を後回しにした本当の理由——豊田市・岡崎市

父が亡くなったのは、3年前の秋だった。
葬儀が終わり、四十九日が終わり、相続の手続きをしなければと思いながら、私はずっと後回しにしていた。銀行口座の解約は済んだ。
でも、実家の名義変更だけが、手つかずのままだった。
「いつかやらないと」
その言葉を、何度心の中でつぶやいただろう。

名義変更が「相続登記」という手続きであることは知っていた。でも、どこに頼めばいいのか、どんな書類が必要なのか、費用はどのくらいかかるのか、何も分からなかった。
調べようとしたこともあった。
でもネットで検索すると、「戸籍謄本」「法務局」「印鑑証明書」「遺産分割協議書」という言葉が並んで、読む気が失せた。
仕事も忙しかった。母もまだ健在だったから、「母が元気なうちに一緒に手続きしよう」と思っていた。
それが2年前のことだ。

今年に入って、「相続登記が義務化された」というニュースをたまたま見た。2024年から始まっていたことを、私はそこで初めて知った。
3年以内に登記しなければ罰則がある、と書いてあった。しかも、以前の相続にも遡って適用されると。
つまり、私のケースも対象だった。
慌てて司法書士に相談すると、「お母様の認知症が進んでいる場合、遺産分割協議書への署名が難しくなることがあります」と言われた。父が亡くなった時点でやっておけば、必要なかった手続きが、今は必要になっているかもしれなかった。

手続きが面倒だから、というのは半分しか本当じゃなかった。
帰り道、私はそのことについてぼんやりと考えた。
父の名義が実家についている間は、父がまだどこかに存在しているような気がしていたのかもしれない。名義が変わることで、何かが完全に終わってしまう。
その感覚が、私を引き留めていたのかもしれない

この記事は、過去にご相談いただいたお客様の実体験をもとに、物語調に編集したものです。同じような気持ちを抱えている方に、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と感じていただけたら、それだけで書いた甲斐があります。

相続登記のあとに待っている売却の手順を、豊田市で相続した不動産を売却する全手順岡崎市で相続した不動産を売却する全手順の全手順ガイドに整理しています。


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