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ザル脳介護のすすめ ~言葉がけ編~

[ザル脳介護のすすめ 第1回]


介護歴32年、認知症介護22年。
現場でたくさんの方に関わる中で、私が行き着いたのは“ザル脳”という考え方でした。
必要以上に抱え込まず、ザルのように余計なストレスを流して、必要な想いだけを受け止める。
これは、専門職にも家族介護者にも役立つ、心を軽くする知恵です。



否定語は、相手に届かない

介護の現場や家庭で、つい言ってしまう「ダメ」「やめて」「違う」。
でも、脳は否定語を理解しにくいと言われています。
「ダメ!」と言われても、相手には「何がダメなのか」「どうすればいいのか」が伝わらない。
むしろ不安や反発を生むこともあります。



ザル脳流・言葉がけの3ステップ

1.否定語を飲み込み、肯定語に変える
・「そっちじゃない」 → 「こっちのほうがいいですよ」
・「やめて!」 → 「それよりこちらを試してみましょうか」

2.”YES”で受けるクセを持つ
・「そうなんですね」「なるほど」と
一度受け止めることで安心感が生まれます。

3.短く、優しく、笑顔で
・複雑な説明はいらない。
・声のトーンや表情も言葉以上に響くものです。



私の経験から

認知症の方は、言葉の内容よりも「感情の響き」に反応することが多いと感じます。
「やめてください!」と強く言うと、ただの拒絶として届いてしまう。
でも「こっちのほうが安心ですよ」と言えば、自然と受け入れてくれることがある。
その小さな変化が、介護の空気を大きく変えるのです。



締め

介護には正解がありません。
でも、否定語を手放し、肯定の言葉で包むだけで、
その場の空気がふわっと和らぐ瞬間があります。
ザル脳の“いい加減さ”は、介護を続けるための優しい武器だと思うのです。

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