ひらがなに沼って|第7回「と」の柔らかさに包まれたい
「と」という字は柔軟だ。
本来は2画で書く字だけれど、続けて1画で書かれることも多い。それでも、大きく形が崩れることなく「と」として成り立っている。
省略されることを嫌がる素振りもなく、むしろ楽しんでいるような気さえする。1画目の終わりからくるんと回って、2画目の始まりに移るところなんか、ジェットコースターみたいだ。
あの丸っとしたところ、2画に分けて書く時には大きくずっしり、1画で勢いよく書くときはきゅっとまとまる。全然違うように見えるけれど、どちらもちゃんと「と」だ。
「と」の、どんな状況も楽しんでしまえるところ、結構好き。
「と」は、流れを読むのが上手い。
1画目で受け止めて、2画目で次へつなげていく。良い流れは止めないようスピーディーに、トゲトゲは丸っとくるんで受け取りやすいように優しくパスを出してくれる感じ。
「と」なら、嬉しいことは一緒に喜んでくれそうだし、ちょっと言いづらいことも上手くつないでくれそう。
「と」は、適度な間も大事にしてくれる。
焦っている時や何かに追われている時、余裕がない時。そういう状況で「と」が来てくれると、すぅ…っと落ち着いて息を吸える。
多くは語らないけれど、スッと隣に来てくれるだけで安心する。「と」みたいな人、いつも傍にいてほしい。
「と」には、みんなよりちょっと広い世界が見えているのかもしれない。
▼「ひらがなに沼って」まとめ
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