ホームベーカリーと私――思い出と進化と
私が家族に囲まれていた頃、
子供たちのために自宅へホームベーカリーを購入したことがある。
クッキー生地を作ったり、
食パンを焼いたりと、結構重宝したものだ。
だけど、
「買ったはいいけれど、あまり使われなくなる家電」
のリストには入っているらしい。
正直言って、
後片付けが大変だものね。
健康志向の強い人でないと、
使い続けるのは難しいのかもしれない。
食パン作りでは、
いろいろなものを入れて試してみた。
お茶の若芽を摘んできて入れたり、
ヨモギを摘んで入れたり。
レーズンやナッツも入れたっけ。
もう四十年近くも昔の話。
あの頃の機械は今とは違い、
性能的にはかなり劣るものだった。
それでも、
私の遊び相手にはちょうどよかった。
最近Amazonで見かけたホームベーカリーは、
餅もつけて、
米粉パンや、うどんまで作れるという。
本当に超進化している。
焼き窯の部分も優れもの。
それなのに、
値段は思ったほど高くない。
でも、よくよく考えたら、
私は独り身。
買っても、
きっと使うことはない。
だって、
糖尿だもの。
そう思うと、
買えない。
気持ちはそそられるが、
そっとサイトを閉じた。
一斤作ってしまうと、その処理に困る。
家族がいた頃なら、そんな心配もしなかったのにな。
現実と思いは、
少し違うよね。
娘家族に、とも思った。
だけど、
ありがた迷惑ということもある。
「欲しい」
そう言われたら、
その時に考えてみるかな。
そんなことを思いながら、
少しだけ、
寂しい気がした。
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