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飽くなき好奇心と探究心が、新時代を紡いだ

礒田保|炎駒聳孤

キリスト教を布教し、
侵略の足がかりを作ろうと日本を訪れた宣教師たち。

だが、彼らの思惑は大きく外れる。

当時の日本は、
今ほどの識字率こそ無かったにしても、
世界でもトップクラスの識字率だったと言われている。

宣教師たちが母国へ送った手紙には、
「日本人はよく学ぶ民族」と驚きが記されていたそうだ。

しかも日本人は、
好奇心旺盛で探究心も強い。

キリスト教の教えに対しても、
容赦のない質問攻め。

宣教師たちが困り果てた、
なんて話も残っている。



そんな日本人が、
江戸時代に出会った西洋医学。

中でも、
精巧に描かれた人体解剖図は、
日本人に大きな衝撃を与えた。

それまでの常識を揺るがすほどに。

そして始まる、
未知の言語との戦い。

書かれているのはオランダ語。

だが——

当時の日本には、
オランダ語の辞書など存在しない。

発音もわからない。

文法もわからない。

単語の意味さえわからない。

今のように、
検索すれば答えが出る時代でもない。

それでも日本人は諦めなかった。

人体図を見比べ、
言葉を推測し、
何度も議論を重ねながら、
少しずつ意味を紐解いていく。

気の遠くなるような作業。

それでも翻訳をやめなかった。

そうして生まれたのが
『解体新書』。

日本では蘭学として広がり、
医を志す者たちの道標となっていった。



日本人って、
昔から何でも取り入れる。

けれど、
ただ真似をするだけでは終わらない。

海外から学び、
日本人なりに工夫し、
独自の文化へと昇華していく。

それは、
食にしても、
技術にしても、
物づくりにしても同じ。

「もっと良くできないか」
「もっと使いやすくできないか」

そうやって、
改良を重ね続ける。

時には、
海外の人が驚くほどの“魔改造”をしてしまう。

けれど、
そこにはいつも
「人を喜ばせたい」
という思いがあるように感じる。



辞書すら存在しない中で、
未知の言葉に挑み続けた日本人。

その「諦めない気質」は、
今も日本の中に流れ続けているのかもしれない。

そう思うのです。



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