Amazonが唯一勝てなかった相手!巨大帝国を撤退に追い込んだ模倣不能のビジネス戦略とは?『INNOVATION STACK』
今日紹介する本は、あの超巨大企業、Amazonに勝った、数少ない小さなスーとアップをつくった人の本です。
Squareの共同創業者ジム・マッケルビーという人。知ってる人も多いはず。
『INNOVATION STACK(イノベーション・スタック)』という本で、誰もやったことのないことに挑むすべての人のための本。
たいてい、会社を経営する人ってひとくくりに扱いますが、マッケルビーは「ビジネスマン」と「起業家」を明確に区別しています。
ビジネスマンとは、地図がある城壁都市の住人。
彼らはすでに成功例のある市場で活動し、ライバルより少し安く、少し良くすることを競います。
そこには教科書があり、失敗のリスクも計算可能だと思います。
たとえば、街に新しいカフェを開くのはビジネスマンの仕事。
一方、起業家とは、地図のない「荒野」へ足を踏み入れる探検家です。
彼らが挑むのは、まだ誰も解決していない問題であり、そこには専門家も前例も存在しません。
生き残るためには、必要な道具をすべて自分で発明するしかないのです。
この本は、この孤独な荒野を目指す人のためのガイドブックです。
イノベーション・スタックが生まれる仕組み
タイトルにもなっている「イノベーション・スタック」とは、生き残るために仕方なく積み重ねた発明の塔のこと。
これは最初から計画して作れるものではなく、ドミノ倒しのような連鎖反応から生まれます。
物語は、解決不能に見える問題にぶつかることから始まります。
たとえば「小さなお店はクレジットカードの手数料が高すぎて払えない」という問題。
既存の解決策がないため、最初の発明(例:無料のカードリーダー)をする必要がありますよね。
しかし、一つの問題を解決すると、必ず新しい問題が発生します。
「機械を無料にしたら、サポート費用で会社が潰れてしまう」といった具合。
そこで今度は、生き残るために「電話サポートを廃止し、説明書がいらないほど簡単なアプリを作る」という次の発明を強いられます。
こうして「問題→発明→新しい問題→また発明」というプロセスを繰り返すうちに、十数個の独自の仕組みが積み上がります。
この相互に絡み合った発明の集合体こそが、イノベーション・スタックです。
Square VS アマゾンで勝っちゃった
Squareが構築したイノベーション・スタックの威力は、あのアマゾンとの戦いで証明されました。
2014年、アマゾンはSquareとそっくりなカードリーダーを作り、Squareよりも圧倒的に安い手数料と、手厚い電話サポートを武器に市場へ参入してきました。
資金力もブランド力も桁違いの相手に対し、誰もがSquareの敗北を予想しました。
しかし1年後、驚くべきことに撤退したのはアマゾンの方でした。
彼らはSquareのリーダーを自社の顧客に郵送し、白旗を上げたのです。
勝敗を分けたのは、目に見えない「スタック」の有無でした。
アマゾンは表面的な「白いカードリーダー」と「安さ」はコピーできましたが、Squareの水面下にある複雑な仕組みまでは再現できませんでした。
Squareは、広告なし、サポートなし、超安価なハードウェア製造といった要素がすべて噛み合い、超低コスト構造を実現していましたが、アマゾンは高コストな体質のまま無理な安売りを仕掛けたため、取引が増えるほど赤字になる状況に陥ってしまったのです。
歴史を変えた「スタック」たち
マッケルビーは、歴史上の偉大な企業もまた、同じパターンで成功していることを発見しました。
バンク・オブ・イタリア(現バンク・オブ・アメリカ)
かつて銀行は富裕層だけのものでしたが、創業者のA.P.ジャンニーニは「一般庶民」に目を向けました。
彼は低所得者でも口座を持てるようにし、夜間営業を行い、担保ではなく人柄で融資するという発明を重ね、巨大な市場を開拓しました。
IKEA
創業当初、安売りを理由に家具業界からボイコットされたIKEAは、生き残るために独自の道を歩みました。
部品を平らに梱包してお客さんに運んでもらう、巨大倉庫をそのまま店舗にする、店内で食事を提供するといったユニークな仕組みは、すべて「業界から締め出された」という逆境への反応として生まれたものです。
サウスウエスト航空
資金不足で飛行機を売らざるを得ない危機に陥ったサウスウエスト航空は、少ない機体でダイヤを維持するために「10分で次のフライト準備をする」という離れ業を開発しました。
これを実現するために、座席指定や機内食を廃止し、客室乗務員のユーモアでサービス不足を補うという独自の文化を作り上げました。
地図を捨てて、荒野へ
もしあなたが、まだ誰も解決していない問題に挑もうとしているなら、マッケルビーは専門家を信じるなとアドバイスしています。
未開の荒野に専門家はいません。
むしろ、既存の常識に囚われない「素人」であることこそが武器になります。
成功への地図はありませんが、あなた自身が心の底から憤りを感じ、解決せずにはいられない問題を見つけたとき、その情熱があなたを突き動かす燃料となるはずです。
そう、イノベーションとは、天才のひらめきではなく、あきらめない人の「しぶとさ」から生まれるのです。ぜひ、読んでみてほしい。
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