【理学療法士】予防医療を占いにしないための疫学の知識を3万字にまとめました
5月、リハビリ界隈にはとても良いニュースがありましたね。
厚生労働省内に「リハビリテーション統括調整室」が設置され、リハビリテーションに関する政策が、これまで以上に進んでいきそうな流れが見えてきました。

その中で出てきたのが、「攻めの予防医療」というキーワードです。

この言葉を見たとき、私はかなり興奮しました。
なぜなら、私自身もリハビリテーションの現場に立ちながら、ずっと同じようなことを考えていたからです。
できることなら、患者さんには「リハビリが必要になるフェーズ」に来る前に関わりたい。
病気やけがをした後に支えることは、もちろん大切です。
ただ、本音を言えば、そこに至る前に予防できるものは予防したい。
リハビリが必要になる前に、生活や身体機能の悪化を食い止めたい。
そんな思いがありました。
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そして、理学療法士が持っているスキルやノウハウは、もっと社会全体に浸透してよいはずです。それが広がれば、国民全体の健康づくりにも貢献できると。
そんな予防医療への「愛」を、疫学の視点から3万字のブログ記事にまとめた話をします。
✒️筆者紹介
理学療法士/修士(リハビリテーション学・公衆衛生学)
回復期リハビリ病院では病棟主任・教育主任を歴任。脳卒中後の機能回復と栄養管理の臨床・研究に携わる。
リハビリテーション医学の科学的根拠を追求すべく、大学院にてリハビリテーション学の修士号を取得。さらに、臨床研究・疫学・統計解析の実力を体系的に習得するため、公衆衛生学修士(MPH)を取得し、医療データの分析にも軸足を置く。
医療リアルワールドデータ活用人材プロジェクト 東京大学履修コースで、医療の現場から得られる大規模データを用いた実証研究に取り組む。 臨床と疫学をつなぐ視点から、介入効果の可視化と医療政策への応用を目指している。
現在は、臨床現場を離れ、医療研究開発センターのスタディーマネージャーとして新たな挑戦を始める。
🔶回復期病院での予防医療活動
予防・予防といえども、現実は簡単ではありませんでした。
当時勤めていた病院では、院外活動に使える時間はほとんどありませんでした。臨床業務・チームのコントロールが最優先。これは、当たり前です。
さらに、私は病棟専従セラピストだったため、他病棟で困っている患者さんがいても、ただ運用上の制約から自由に関わることはできませんでした。
理学療法士として、もっと広く人の健康に関われるはずなのに、目の前の制度や運用の枠を越えて動けない。
そのことに、苦い思いを抱えていました。
そのため厚生労働省の流れは、ついにスタートラインの整備が整ったように感じています。嬉しさがこみ上げたので、この内容を3万字にしてやろうと思いました。そして、約30時間かけて記事を書き、自身が運営するブログ「EPISEED」にアップしました。
↓↓ 実際の記事
🔶なぜ、3万字なのか
以前、私はnoteで「副業・スモールビジネス」に関する記事を書きました。
そのきっかけになったのが、すきとほるさんの著書や発信でした。
すきとほるさんが、Xで「ブログに3万字の記事を20本書いたら世界が変わる」という趣旨のことを言われていました。
私は、すきとほるさんの運営するオンラインスクールにも入会しており、スモビジに関する講座を頻繁に受講しています。

それほど面識があるわけでもないのですが、勝手にスモールビジネスのメンターだと思っています。
だから、「やった方がいい」は、私の中では「やれ」と同じです。そう受け止めて、とにかく課題として、3万字の記事に取り組むことにしました。
ただ、書き始める前に、ずいぶん悩みました。
参考図書によりますと…..↓↓
自分の専門性とは何なのか。
ブログを展開していくなら、発言権のあるテリトリーで語らなければいけない。
自分の専門性にエッジを効かせて
その言葉が、ずっと引っかかっていました。本を読んだ4月頃から、
自分が最も輝ける領域はどこなのか。
誰にも負けないと確信できる場所はどこなのか。
ずいぶん長く探していた気がします。
・理学療法士としては、臨床を中途半端な形で離れてしまった。
・リハビリテーション学の修士号は持っているけれど、博士課程に進む前に道を断念した。
・疫学は大好きだけれど、自分は疫学者というわけではない。
どれも中途半端なのではないか。
自分に語れるものなど、本当にあるのだろうか。
そんなことを何度も考えました。
ただ、改めて自分の歩みを振り返ると、少しだけ見え方が変わりました。
私は、20年、理学療法士として臨床現場に立ってきました。
全国でも有数のリハビリテーション科医の指導の下で、リハビリテーション学の修士号を取得し、リハビリテーションという学問について深く学びました。
その後、公衆衛生大学院で疫学を学び直し、もう一つ修士の学位を取りました。
理学療法士としての現場経験。
リハビリテーション学としての学び。
疫学としての学び。
一つひとつを見れば、中途半端に見えるかもしれません。
しかし、この3つを重ねてきた人は、あまり多くはありません。
臨床の現場で患者さんの生活を見てきたこと。
リハビリテーション学として、人の回復や生活を考えてきたこと。
疫学として、集団のデータから妥当な比較を考える視点を学んだこと。
この掛け合わせの中に、自分のオリジナルな立ち位置があるのではないか。だから、多少は自分のテリトリーとして書くことが許されるのではないかと。
そう思えたとき、少しだけ書く覚悟が決まりました。
今回のブログの内容は、「予防医療を占いと言わせないための疫学の重要性」について書きました。
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予防医療は、少し「占い」に似ているところがあります。
将来、転倒するかもしれない。
将来、生活習慣病になるかもしれない。
将来、要介護状態になるかもしれない。
将来、再入院するかもしれない。
でも、それは本当に当たるのでしょうか。
未来のリスクを語る以上、予防医療にはいつも不確かさがあります。
だからこそ、私は疫学が重要だと思っています。攻めの予防医療を本気で展開しようと思えば、必ず「疫学」というキーワードにぶつかるはずです。
誰に、どのようなリスクがあるのか。
どの介入が、どの集団に、どの程度役立つのか。
その効果は、本当に介入によるものなのか。
どこまで一般化してよいのか。
現場で使える知識として、どう翻訳すればよいのか。
これらを考えるためには、疫学の視点が必要です。
正直、3万字も書けるのかと思っていましたが、書き始めてみると、内容は思った以上にすらすら出てきました。
やはり、このテーマこそ専門性なのかなと、腹落ちしました。
臨床で感じてきた違和感。
大学院で学んだリハビリテーション学。
疫学に出会って見えた、予防医療の可能性。
研究支援の現場で感じている、エビデンスを積み重ねることの重要性。
その全部が、今回の記事の中でつながったように思えました。
かなり長いですが、でも、自分にとっては、10年ほど前から抱えてきた問いを、ようやく一つの形にできた記事になりました。
理学療法士は、病気やけがをした後だけに関わる職種ではないと思っています。
人が悪くなる前に関わる。
生活が崩れる前に関わる。
未来のリスクを見据えて関わる。
そして、その関わりが本当に意味のあるものだったのかを、データと研究で確かめていく。
そのために、予防医療と疫学は、理学療法士にとって重要なテーマになるはずです。
この記事を読んで、「疫学を少し勉強してみようかな」と思ってくれる理学療法士が、3人増えたら、それだけで3万字を書いてよかったと思えます。
長ーい記事ですが、頑張って書いてみました。よかったら、読んでみてください。疫学の概観がわかるように配慮して記事を作成しています。
そして、よければ、理学療法士の皆さん、一緒に疫学を勉強しましょう。
今後も、自分が運営するブログEPISEEDでは、更新頻度は落ちるかもしれませんが、3万字ベースの記事で出せるように、テーマや構成を練っていきたいと思っています。
一方で、日々の気づきや考えたことは、引き続きnoteを中心に更新していくつもりです。
これからも、よろしくお願いします。
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