7/13 車窓の青、琥珀色の端
電車の窓は、少し煤けていた。
外の景色は色褪せて映り、青さが遠い。
白雲に包まれた空の中、僅かに覗くその青は、人の目にどれだけ神秘的に映っているのだろう。
用事のついでに購入したドーナツを私は、座席で食していた。
卵の柔らかい甘みが舌に貼り付いてくる。
食べかけの断面にはスポンジの跡が丸く残っていた。
半分を食べ終えて出てきた、反対側のドーナツの端の琥珀色が美しい。
食べ終わった歯の裏側にザラザラとした感覚が残る。
閉じかけのドアから垣間見えた、細い影。
誰もいなくなったホームに、静けさがジワリと醸し出されていく。
フロントガラスに当たった滴は、先滴が作った道に従いながらも、新しき道をそれぞれが辿ってゆく。
雨粒を受け取った地面は、ショッピングセンターの床のように光沢を湛えていた。
