第17話 隣でうまれた奇跡
※この物語は実体験をもとにした連載エッセイです。
二人目をつくろう、
そんなはっきりした会話をする前に
気づけば、ベビーカーも、肌着も、手放さずにいた。
どこかで、もう一人を思い描いていたんだと思う。
同じ提供者に連絡をした。
あのときの緊張はもうなかったけれど、
「またお願いできるだろうか」という小さな不安は、確かにあった。
返事は「いいですよ」。
胸の奥が、静かにほどけた。
そして今回は、驚くほど早く結果が出た。
嬉しかった。
出産の日。
一人目のときはコロナ禍で立ち会えなかった。
生まれた瞬間を、あとから聞くだけだった。
でも今回は、隣にいられた。
陣痛に耐える姿。
息が荒くなり、汗をかき、それでも前を向く姿。
命を産むって、こんなにもすごいことなんだと
真正面から見せてもらった。
あの時間を共有できたことで、
「ありがとう」という言葉の重みが変わった。
この人は、二度も命をかけてくれた。
もっと大切にしよう。
もっと支えよう。
もっと感謝し続けよう。
母子ともに元気に、第二子が誕生した。
家族が四人になった日、
僕は父になっただけじゃなく、
もう一度、夫としての覚悟をもらった気がする。
この物語は実体験をもとにした連載です。
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