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150年前に消えた豪華蒸気船、ミシガン湖の底でほぼ直立した姿で見つかる|その発見までの物語が、沈船そのものより面白い

今回は 世界の不思議なニュース を紹介してみます。

■ 1872年、嵐の夜に船が消えた


画像:Unknown author / Wikimedia Commons(Public Domain Mark 1.0)

1872年10月、嵐の夜。

1隻の蒸気船がミシガン湖に消えました。

船の名は Lac La Belle。乗員・乗客53人と、大麦、小麦粉、豚肉、ウイスキーといった貨物を積んだまま、漏水と荒天に追い詰められ、ボイラーの火が消え、船は湖底へ沈んでいった。救命ボートの1隻が転覆し、8人が命を落としています。

それから150年以上、この船はずっと "行方不明の沈船" として語られてきました。

——でも2022年、ついにウィスコンシン沖の湖底で発見されたんです。

ただこの話、「古い船が見つかった」で終わらないところが面白い。

■ この船、実は一度沈んで蘇っている

Lac La Belleは1864年、オハイオ州クリーブランドで建造された木造の蒸気船です。もともとは旅客船として運航していて、その後は貨物輸送にも使われていました。

で、驚くのがここ。

この船、1866年にも一度沈んでるんです。

引き揚げられて、再整備されて、もう一度現役に復帰した。つまり1872年の沈没は、この船にとって "二度目の最期" だった。一度蘇った船が、二度目に本当に歴史の闇へ消えた——そう考えると、ちょっとゾクッとしませんか。

■ なぜ150年以上も見つからなかったのか

沈没の記録は残っていたんです。でも、実際の地点は広大なミシガン湖の捜索範囲に埋もれていました。

この船を見つけたのは Paul Ehorn という人物。彼がこの船を探し始めたのは、なんと1965年。そこから何十年も追い続けた、まさに執念の探索です。

決め手になったのは、研究者 Ross Richardson を通じて得た漁師由来の手がかりでした。その情報をもとにサイドスキャンソナーを使い、2022年にようやく候補地点を絞り込んだ。

「偶然見つかった」のではなく、何十年も追い続けた末の発見。ここがこの話のいちばん熱いところだと思います。

■ 見つかったのは2022年、でもニュースになったのは2026年

ここも面白いポイントです。

船体が発見されたのは2022年10月。でもすぐには発表されませんでした。なぜかというと、Ehornは3D動画モデルの作成を進めたかったから。

さらに悪天候や再潜航の難しさもあって、発見の公表は2026年にずれ込みました。つまり「今見つかった」わけではなく、発見後に記録と検証を重ねてから公表された、という流れなんです。

■ 湖底に残っていたのは、ただの残骸じゃなかった

これがまたすごい。

Lac La Belleは、ほぼ直立した状態で湖底に眠っていました。

上部の客室は失われていたけれど、木製フレームやオーク材の外殻、貨物の一部まで確認できる状態だったそうです。150年以上湖底にありながら、「まだ船として分かる」。

直立したまま残る船体の実際の写真は、元ソースの Smithsonian Magazine の記事に掲載されています。ぜひ見てみてください👇
https://www.smithsonianmag.com/smart-news/this-luxury-steamer-disappeared-on-a-stormy-night-in-1872-nearly-150-years-to-the-day-it-was-found-in-the-bottom-of-lake-michigan-180988204/

ただ、いっぽうで船体の外側は quagga mussels(外来のカワヒバリガイ類)に覆われていました。こうした外来種は五大湖の歴史的沈船を損傷させる懸念があるとされています。

つまりこの発見は、過去を見つけた話であると同時に、今後失われるかもしれない歴史を記録した話でもある。見つかった今も、この船は時間に脅かされているんです。

■ おわりに——なぜこの話にロマンがあるのか

個人的にこの話が面白いと思ったのは、「沈船が見つかりました」で終わらないところです。

有名な沈船なのに、長年正確な位置が分からなかった。一度沈んで蘇った船が、二度目の沈没で本当に姿を消した。それを何十年も追い続けた人がいて、漁師の手がかりとソナー技術がつながって、ようやく見つかった。

Lac La Belleの発見は、1872年の嵐に飲まれた1隻の船が、150年以上の沈黙のあとに再び語り始めた瞬間でもあります。

その姿を湖底から引き戻したのは、偶然ではなく、記録を追い続けた人間の執念だった。

だからこの発見は、失われた船の話であると同時に、時間と記憶がどこまで湖の底に残り続けるのかを示す物語でもある——そんなことを考えさせてくれるニュースでした。

元ソース
・Smithsonian Magazine記事

https://www.smithsonianmag.com/smart-news/this-luxury-steamer-disappeared-on-a-stormy-night-in-1872-nearly-150-years-to-the-day-it-was-found-in-the-bottom-of-lake-michigan-180988204/

・画像出典:Wikimedia Commonshttps://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ALac_La_Belle.jpg


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