「大人になったら」 #122
最近、一緒に料理をしてくれることが増えた4歳の次女が言った。
「ママー、
〇〇(次女の名前)が大人になったら、
金曜日以外は〇〇がご飯作るからね!
ママは金曜日しか作らないでね!」
ハッとした。
私は大人だけど、
次女が思い描くような大人じゃないのでは?
と思ったからだ。
料理が苦手な私にとって、
一日三度の食事作りは、義務だった。
偏食の長女、
食にこだわりの多い夫、
新しいもの好きチャレンジャーの次女。
まずは、
その三人を納得させる献立を考える。
次に、
お財布と相談しながら食材の買い出し。
そして、夜ご飯を夜に作る時間はないから、その日の日中の予定と相談しながら、
次女のお迎えまでに夜ご飯を作る。
書いているだけで、気が重くなってくる。
これが私の描く「大人」だ。
でも、次女の描く「大人」は全く違う。
自由だ。
そして、それを心から楽しみにしている。
次女の「大人になったら」を聞いた私は、
「やったー!
じゃあ、金曜日は毎週カレーね!」
なんて、大人気なく笑って返していた。
でも、次女は大人になることを夢見て、
ルンルンしていた。
次女の描く大人は、もっと自由だった。
いつからか私は、
「〜しなきゃ」
「〜すべき」
ばかりを集めて、
“大人が描く大人”になっていた。
本当はもっと、自由に生きる大人がいても
いいのかもしれない。
そんなことを考えた私は、
完全に思いつきで、お迎えまでの時間を、
思い切って自分の好きなことに使ってみた。
夜ご飯は、まだ作っていない。
正直、焦っている。
焦りを必死に隠しながら、
帰ってきた次女に言ってみる。
「今日は、
〇〇にご飯作ってもらおうかな〜。」
「やった〜!」
そうして夕方、
次女と二人でキッチンに立つ。
エプロンをしめ、
踏み台の上に乗ってキッチンに立つ、
大人っぽい次女の小さな背中を、
大人気なく見守っていた。
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