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片耳のイヤリングが、戻ってきた日 #103

あの日が、
最後になってしまった。

そしてその日、

イヤリングが片方、
なくなっていることに気がついた。


片耳のまま、
来た道を戻って探したけれど、
見つからなかった。

高価なものでもない。
また買えばいい。

そう言い聞かせて、家に帰った。

それからしばらくは、
あの日剥がしたネイルも、そのままだった。

ただ、予定を詰め込んだ。


そんな日が続いたあと、
久しぶりにネイルを整えた。

いつもの道を歩いていると、
真ん中で、何かが光った。

あの日なくしたイヤリングだった。

雨風にさらされていたはずなのに、
傷ひとつなく、そこにあった。

私はそれを握りしめた。

そして、
あの頃よく聴いていた曲を流しながら、
またいつもの道を歩いていった。


後日、イヤリングをつけてみた。

傷ひとつないように見えたけれど、
少しだけ歪んでいて、
私の耳に、うまくはまらなかった。

私はそのイヤリングを、
戸棚の奥へとしまった。


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