3)療育のスタートにも立てない
3歳児検診で言葉の遅さを指摘、別室に案内され再面談、次年度からの療育センター入所を勧められた息子。前々からおかしいと思っていたので、センターを勧められたときは、正直ホッとした。
「これくらい大丈夫だよ」「男の子は成長ゆっくりだから」と、周りからの励ましの言葉を毎日聞き続けていた身としては、「息子がおかしい理由がようやくわかる」と安堵した。
話は通じないし、言葉もでないし、何より噛みつく。ホントに突然噛みつく。動物園にいるサル達の方が、絶対にジェントルマンである。(サルの皆さんすみません。例えが見つからず、こんな表現になりました)息子は人に対して暴力的で、とにかく酷かった。特に2つ上の娘に対して、よく噛みついていた。
ただ、私に対しては酷い立ち居振る舞いがあまりなかったが、今思えばただ単に「問題行動が起きる前に、無意識に未然に防ぐ行動を取っていた」だけであって、問題が解決していた訳ではなかったのだろう。
だからこそ、病院や療育センターからの支援が受けられると聞いた時は、ホントに嬉しかった。だが、面談中に担当のワーカーからこんなことを言われた。
「入所は8カ月後になります。本日、センターに予約の電話を入れてください。それまではおうちで様子を見てください。」
はい?
8カ月後??
来月とかじゃないの???
そんなに大人気なのか、療育センター?!(そんなことはない)
8カ月と言えば、生まれたての赤子がハイハイ、早い子なら歩き始めるかもしれない位の期間である。子どもの8カ月という期間は、それだけ成長する尊い時間でもある。
だからこそ、
「8カ月の期間、何をしたらいいですか?」
「どこか通わせられるところはないんですか?」
「何もしないで8カ月様子を見て待つのは、耐えられません!」と必死になって今の状態から前進するすべを聞き出そうとした。
今ならわかる。
診断も何も出ていない状態で、息子にとって最善のアドバイスなんで出てくるわけがない。診断によって支援の仕方が大きく変わるからこそ、下手にペアトレの方法や書物などが薦められる訳がない。あの時の担当ワーカーの対応は正しい。
でも、私にとって「8カ月待つ」というのがとても辛かった。
今振り返っても、今までの育児生活の中で、この8カ月間が一番しんどかった。何もしないでただ待つ経験が、どんなに辛いか・・・。
この時の経験は今の仕事にとても役立っていて、待つことの辛さを吐露する保護者に対して、あの時の自分が一番救われた「話を聞く」支援をする様にしている。
後日、担当ワーカーから「地域訓練会」の入会を勧められた。見学だけでもどうですか?という電話によって、8カ月という待機期間を少しだけ縮めて、親子支援をスタートすることが出来たのである。まだセンターに入所はしていないが、訓練会に入れたことがとても嬉しかった。
あの当時、児童発達支援機関が少なく、センター入所以外に未就学児童に対する支援は今ほどなかった。今は支援機関が増え、支援の手も昔と比べて届きやすくなったと思う。
児発や放デイが増え、訓練会存続が危ぶまれている話は方々から聞いている。それでも支援の手が増え、それによって救われる親子が増える今の世の中になって、本当に良かった。
しみじみ、そう思う。
