蝉の鳴き声が教えてくれた夏の変化
梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。
まだ始まったばかりだというのに、すでに暑さに負け気味です。
私にとって「夏が来た」と感じるものの一つが、蝉の鳴き声。
近所では毎年、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、
そして季節の終わりにはツクツクボウシ。
少し歩いた先ではヒグラシのどこか寂しげな「カナカナカナ」という鳴き声も聞こえ、蝉たちの声で夏の移り変わりを感じていました。
ところが今年は、ニイニイゼミの声を聞いたと思ったら、すぐにクマゼミが鳴き始め、さらにミンミンゼミも登場。
ようやく今週になって、アブラゼミの鳴き声が聞こえてきました。
ニイニイゼミの控えめで涼やかな「チィー」という鳴き声には、まだどこか余裕のある「夏が来たなぁ」という風情を感じます。
一方で、我が家の近所ではあまり見かけなかったクマゼミの金属的な響きや、熱気を煽るようなミンミンゼミの声が重なると、それだけで体感気温が数度上がったような、逃げ場のない暑さを感じてしまいます。
子どもの頃、私の周りにいたのは「ジー」という鳴き声のアブラゼミばかりでした。
茶色の羽のアブラゼミを虫取り網で追いかけ、汗だくになって木々を探し回っていました。
網でようやく捕まえても触ることに抵抗があったので、できるだけ触れないように網越しにバタバタ騒ぐ蝉を、どうにかかごに入れては喜んでいました。
アブラゼミに比べてミンミンゼミはめったに見かけない存在で、しかも透明な羽を持つミンミンゼミには憧れがあり、鳴き声もどこか格好よく感じていました。
一方、クマゼミは私にとって図鑑の中の存在でした。
大人になって、たまたま沼津で「シャアシャアシャア」という大きな鳴き声を耳にし、最初、蝉の鳴き声だと判断も付きませんでした。
同伴した人に聞いて、「これがクマゼミの鳴き声なんだ」と驚いたことを今でも覚えています。
かつては西日本や沿岸部の暖かい地域を象徴する存在だったクマゼミ。
今では当たり前のように毎年、近所でも鳴いています。
その勢いに、北上する温暖化の足音を感じずにはいられません。
以前は珍しく感じていた蝉が身近になり、反対に、子どもの頃は当たり前だったアブラゼミの鳴き声に風情や懐かしさを感じるようになりました。
感覚はもちろん、蝉たちを取り巻く環境も、少しずつ変わってきているように思います。
数年前には街路樹の根元を舗装する箇所も見られました。
土の地面が減り、蝉にとっては住みにくい環境になっているのかもしれません。
夏はまだ始まったばかり。
厳しい暑さが続きますが、体を大切にしながら、この夏ならではの音や景色も楽しんで過ごしたいと思います。
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