【長編小説、化け物退治】未発表曲
僕とスパイは東京で有名なミュージシャンのライブを観ていた。
マリーゴールドや裸の心など名曲を歌っていた。
すると東京で有名なミュージシャンは、「これから歌う曲は未発表曲です。聴いて下さい。」と言い歌い出した。
知らない曲だった。
曲名は化け物…
「よお。楽しんでる?
僕は森の中。暗い暗い森の中。
何があると思う?教えるよ。何も無い。
何も無いのに人は目指す。
夢だの挑戦だの勇気だの言って。
愚かだよね。
それなのに人は頭が良いと言ってる。
今日も一人、愚かで頭が良い人が来たよ。
もちろん消えた。消える瞬間、気づいた。
夢なんて挑戦なんて勇気なんて、いらない。何もいらない。
すべては消える。すべては消える。君も消える。」
…と歌っていた。
東京で有名なミュージシャンは恋愛ソングを中心に歌っていたはず。
少しイメージと違う曲に観客も戸惑っていた。
化け物という曲は続いた…
「君は何のために生きてるの?誰かのため?
森の中には優しい人も来たよ。子供が迷い込んだらしい。
物語なら救えてた。物語なら感動してた。
どうなったと思う?教えるよ。僕が消した。
子供も優しい人も。
愚かだよね。
それなのに人は幸せになれると言ってる。
物語ではない現実。物語では自由に空も飛べる。
現実を見よう。偉人も英雄も恩人も消える。
すべては消える。すべては消える。君も消える。」
…歌っていた。
曲のメッセージとしては、すべては消えると伝えたいのだろうか。確かに、すべては消える。
東京で有名なミュージシャンは、あまりネガティブな曲は作らなかったはず。
最後に何か希望のようなメッセージがあるのだろうか。
化け物という曲は続いた…
「これから君に会いに行くよ。
もちろん消すために。
君のすべてを消しに会いに行くよ。
すべては消える。すべては消える。君も消える。
そして僕も消える。」
…と歌っていた。
どうやら曲が終わったようだ。
未発表曲ということもあり、あまり良い曲ではない気がした。観客も少し残念そうにしていた。
スパイは、「うーん。かな。良い曲ばかりじゃない。よね。」と言った。
その後はハルノヒや愛を伝えたいだとか、など名曲を歌いライブは大成功に終わった。
スパイや観客は大満足して帰って行った。
僕も帰ろうと思っていると何かの気配を感じた。
化け物が立っていた。
化け物は、「よお。待ってたよ。
どうだった?ライブ。
特別に東京で有名なミュージシャンには僕の作詞作曲した歌も歌ってもらったよ。」と言った。
どうやらライブで聴いた未発表曲は化け物が作詞作曲したらしい。
僕は正直にイマイチだったと伝えた。
続く
