尤度比(LR)って、実際どれくらい使えるの?
「この検査、どれくらい信じていいのか…」
そんなときに出てくるのが 尤度比(Likelihood Ratio:LR)。
でも、
「陽性尤度比が5って、実際どれくらい信頼できるの?」
「陰性尤度比が0.2なら、どのくらい否定できるの?」
って、ピンとこないことも多いですよね。
結論:ざっくり、こう覚えてOK!
これは、2002年のMcGeeの論文で紹介された、臨床家向けの経験則的な目安です。
陽性尤度比(+LR)
+LR 2 → 診断確率が約15%アップ
+LR 5 → 診断確率が約30%アップ
+LR 10 → 診断確率が約45%アップ陰性尤度比(−LR)
−LR 0.5 → 約15%ダウン
−LR 0.2 → 約30%ダウン
−LR 0.1 → 約45%ダウン
※ これは“だいたいこのくらい”と考えてOK。暗算で臨床推論を進めるときの目安としてかなり使えます。

どうやって使うの?
たとえば、ある疾患の事前確率が30%だとしたとき、
+LR 5 の検査で陽性だったら? → 30%に約30%加算 → 約60%の確率であると言える
−LR 0.2 の検査で陰性だったら? → 30%から30%減らす → およそ0〜5%台まで下がる
もちろん、厳密にはベイズの定理で計算すべきですが、実臨床ではこの“ざっくり感”が大事。
まとめ:
尤度比(LR)は、「この検査結果、どのくらい診断に効くの?」を数値で表せるツール。
ざっくり「2・5・10」「0.5・0.2・0.1」で、頭に入れておくと便利。
診断推論の精度とスピードが格段に上がります。
📚 出典:
McGee S. Simplifying Likelihood Ratios. J Gen Intern Med. 2002;17(8):646–649.
PMID: 12133161
補足:陰性尤度比の「よくある誤解」
「−LRが0.2なら、陰性で“病気じゃない確率”が30%上がるってことだよね?」
📛 → 実はこれ、ちょっと違います。
正しくは:
「−LRが小さい」というのは、陰性になったときに“病気である確率”が○%下がるという意味。
なので、
❌「病気じゃない確率が上がる」
✅「病気である確率が下がる」
この違い、大事です!
例でサクッと確認:
事前確率が30%だった患者さんに対して、−LR 0.2の検査が陰性だった場合:
→ 病気の確率が30%くらい下がって、
→ 事後確率はだいたい 0〜数%台にまで下がるイメージです。
一言で言うなら:
「陰性尤度比が小さい=“病気である”確率が下がる」だよ!
このあたり、つい言い間違えやすいポイントなので、確認しておくと安心です。
